第768話 電車通学と、ポータブルカセットプレイヤー(Walkman)

ソニーから初めて”Walkman”が発売されたのは、私が小学生のころだったかと記憶している。Walkmanは時代を変えた製品で、それまで音楽は、少なくとも自宅や喫茶店などで聞くものだったものを、自分の行動に連れ添って、自分自身のためだけに聴く、というものに変えた。一度、そのような製品が出てしまうと、当然他のメーカーも同じような製品を販売する。


私は中学生のころにAIWA製のポータブルカセットプレイヤーを、親にねだって買ってもらった。ちょうどビートルズに目覚めたころで、どこかに出かけるときは常にビートルズの曲をカセットテープにダビングして持ち歩いていた。


今の「ながらスマホ」も同じようなものだが、やはり両耳をイヤホンで覆って、音楽を流しながら自転車に乗るのは危ない。事故をしたわけではないが、親から「自転車に乗っているときや道路を歩いているときは止めなさい」と厳しく言われ、それからは注意するようにした。


高校生になり、電車通学を始めたので、電車の中で音楽を聴くようになった。


高校生のころに”Simon & Gurfunkel(S&G)”にハマり、通学の時に聴く音楽はS&Gになった。S&Gのオリジナルアルバムは5枚あるが、4枚目の”Old Friends”は、会話を集めた部分を除けば、最後のアルバム”Bridge Over Troubled Water”を除いて30分未満になる。


通学のために電車に乗っている時間もちょうど30分くらいだったので、電車に乗って聞き始めれば、最寄り駅につく頃に1枚のアルバムを聞き終わることになる。なので、当時の60分テープに、それぞれ、”Wednesday Morning, 3 A.M.”, “Sound of Silence”、”Paslay, Sage, Rosemary and Thime”, “Old Friends”を片面ずつに入れて聴いていた。


だからどうした、というわけではないが、数日前、久しぶりにS&GのCDを聴いていると、ふと高校時代のことを思い出したので、なんとなく徒然なるままに書いた次第である。

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