第765話 高級車だから、映えるのかな?

私の通勤路に、外車を主に扱う中古車屋さんがある。細い路地から幹線道路に出る交差点の角に店があるので、帰宅の途中で信号待ちをしている間に、どんな車があるのか、ついつい見てしまう。


「あっ、これはいい感じだな」


と思う車には大抵それなりに高額な値札が付いていて、それでも1週間ほどで「売却済」の札がかけられているので、それ相応に商売はうまく回っているのだろうなぁ、と見ている。


ここ数日、目を引かれるのが、イギリスの自動車メーカーである「ジャガー」の一台である。型式も何も分からないが、おしゃれな外観に深いグリーンの車体がすごくマッチしている。


個人的に、深いグリーンは私の好きな色の一つである。私が今のところ、一番最後に所有していたバイクはホンダのCB750(RC42)というバイクである。今でも非常に高値で売買されているCBX400のカラーリングを導入してから一気に人気が出たバイクだが、初期型は1990年だったか、91年だったかと記憶している。人気が出るまでの10年以上、いわゆる「隠れた名車」だった。


初期型のカラーリングが、黒と、深いグリーンだった。マイナーチェンジで深いグリーンがラインアップから外れてしまったのだが、たまたま2005年だったか、レッドバロンにバイクを買いに行ったとき、そのカラーリングのものを見つけたので、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったことを覚えている。私が購入した時点で、15年物だったが、いいバイクだった。研修医を終え、診療所で働くことになったことで、診療所の先生から「もうバイクを降りてはどうですか?けがをされると大変困ります」といわれ、残念ながら手放してしまったが、今でも「手放さなければよかった」と思うバイクであった。


1990年代のバイク雑誌でも「コストパフォーマンスがよく、街乗りから峠、ジムカーナ(定められたコースをいかに速く走るか、という技術を問われる教義)まで、十分にこなせる良いバイクだが、人気がない」と記事にされていたバイクである。バイクの基本性能もさることながら、私は、大型二輪免許を取る前から、その「深いグリーン」のカラーリングにずっと惹かれていたので、購入した時にとてもうれしかったことを覚えている。


購入8年目になるが、我が家の愛車「SOLIO」、フルモデルチェンジをしたものを購入したのだが、その一世代前は、同じような深いグリーンのカラーがあったのだが、残念ながらラインアップからは消えてしまっていた。結局「ブルー」のカラーを購入したのだが、できれば、あの深いグリーンがよかったのに、と思っている。


それはさておき、ジャガーの高級車、同じような深いグリーンではあるのだが、バイクのカラー、先代SOLIOのカラーとボディのマッチングを比べても、はるかにジャガーの方がよく似合っている。とても美しい、と見とれながら帰宅している。


やはり、高級車だから、あのカラーが似合うのだろうか?センスのない私にはよくわからないところである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る