第764話 机上の話ではあるけれど…。

今、株式市場は好景気に沸いており、アメリカの株式市場でもダウ平均株価が過去最大、日本でも日経平均がバブル期以降最高値を記録したりしている。


ただそんな中、昨日、あおぞら銀行が第三四半期決算で大きな赤字決算を出した。当然株価はストップ安(株価が株式取引所で決められた範囲以上に値上がり、あるいは値下がりすると、その時点からその日は自動的に取引ができなくなるシステムとなっている。値上がりの場合は『ストップ高』、値下がりの場合は『ストップ安』という)で、昨日は700円の下落。今日も400円近い下落となっている。


日本の株式は基本的には100株単位で売買しているので、単位で考えると、昨日は7万円、今日も4万円近く、なので2日で11万円近くの値下がりである。


私個人はお小遣いの一部で株式を買ったりしているが、この「あおぞら銀行」株も200株(2単位)持っていた。私の持っている株式の中で、金額としてはこの「あおぞら銀行株」、比較的大きな割合を占めていたので、2日で22万円近くの値下がり、大ダメージである。


もちろん、株そのもの(現物株)を保有しているので、これを売買(私の現在の株用資金では1単位も買えないのだが)しなければ、実質の「損」にはならないのだが、それでも心は凹む。


あおぞら銀行の決算赤字は昨日のYahooニュースのトピックでも取り上げられていて、コメント欄には「1万株持っているので、今日一日で700万円の損だ~!」などと書き込みがされていた。机上の話とはいえ、700万円資産が目減りした、と思うと切なくなる。大株主ではなくてよかった、とちょっとホッとした。


もう一つ痛いのは、株式の配当金である。ほとんどの企業では、中間決算と最終決算の年2回、配当金が(「出るところは」)出るのだが、あおぞら銀行では四半期決算ごとに配当金を出していた。しかも結構な額(今年は1株当たり38円)を出していた。なので、予定では、38×4×200=3万円程度の配当を期待していたのだが、第三四半期、最終決算での配当を「出さない」という事が決定してしまった。なので、配当が1万5000円ほど減ってしまう。


小遣いでの株式運用なので、家計にダメージは全くなく、実際に手元にあるお金にも影響はしないのだが、株式の配当金(と言っても年に10万円ないくらい)を再投資に回しているので、1万5000円減ってしまうと、配当金の1割が無くなる計算になる。これは結構痛い。


先の1万株持っている、と投稿していた方であれば、配当金も78万円の減である。これは痛いだろうと思う。


バブル期に株式に資産の多くを割り振ったため、バブルがはじけて亡くなる人が出た、というのは知識としては知っていたが、たかが2単位(200株)でこのダメージである。「信用売り」「信用買い」と言って、証券会社から借りた株を売買して利益を上げる手法もあるので、「信用取引」で多額の株式をやり取りしていた人なら、確かに途方に暮れるに違いなかろう、と思う。


儲けは少ないが、それなりにリスクの高い株式売買である。自分の払える範囲内での「現物」のやり取りが、やけどが少なくて良いようだ。

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