第385話 やっぱりよく分からない。

高市早苗経済安全保障大臣の、総務大臣時代の文書についての「捏造云々」の問題。委員会でのやり取り画像がYouTubeにアップされており、そちらを見ていて受ける印象と、テレビのニュースなどでの報道の取り上げ方に大きな差があり、混乱している、と先日記載したが、まだまだ訳の分からない状態が続いている。


高市大臣の「答弁が信用できないなら、質問しないでください」発言、これに対しては末松予算委員長が高市氏に厳重注意を行ない、高市氏も「重く受け止めています」とのこと。これについては、これでおしまい、でいいのではないだろうか?高市大臣の「答弁が信用できないなら、質問しないでください」の発言の前の、杉尾議員の発言、YouTubeで見たが、あれだけの言われ方をすれば、普通の人ならさすがに、「これだけ丁寧に、感情を抑えて答弁させておいて『お前の言うことは信用できない』か?じゃぁ、もう私に答弁させるなよ。ただただ答えさせておいて、『信用できない』と罵っているだけじゃないか」と思う気持ちも分かろう、というものである。


そういうからには、高市氏も心中「うんざり」だと思うのだが、それでも質問に対しては回答を拒否することなく、答弁を行なっている。立件民主党からは「憲法違反だ」「職務を果たしていない」との批判が出ているが、高市氏の「信用できなきゃ質問するな」発言の後も、きっちりと仕事をこなしているわけである。


ということで、予算委員長から厳重注意がなされ、高市氏が「重く受け止めます」ということであれば、「信用できなきゃ最初から答弁を要求するな」問題はこれで終了である。


その一方で、また訳の分からないことが起きている。昼のFNNプライムニュースで「捏造なしと総務省が報告」とのニュースが流れた。


報道では


<以下引用>

放送法における政治的公平の解釈をめぐり、高市経済安全保障担当相が「捏造(ねつぞう)だ」と主張する文書について、総務省が調査を行った結果、「捏造はなかった」と国会に報告したと、立憲民主党の議員が明らかにした。


立憲民主党・石橋参院予算委筆頭理事「(総務省関係者に)捏造と言った者は誰もいなかった。つまり、2月13日はあったということですから、高市大臣の捏造というのはすべて崩れたと思います」

<引用ここまで>


私の行政システムの理解が低いのであろうが、「総務省が『捏造はなかった』と国会に報告」したのなら、その情報は、全国会議員が把握するのではないのか?国会に報告された情報は誰が管理し、誰に知らされるのだろうか?少なくとも国会を構成する国会議員に情報を提供しなければ、「国会に報告」ということの意味がない、と思うのだが?


また、石橋参院予算委員会筆頭理事の発言で、「(総務省関係者に)捏造といったものは誰もいなかった。つまり、2月13日はあったということですから、高市大臣の捏造というのはすべて崩れたと思います」という発言の論理も理解できない。


「捏造しましたか?」と聞いて「はい」と答えるバカ者がいるわけないではないか(みんな超エリート官僚ですよ?)。また、「捏造といったものは誰もいなかった」という事実から「つまり、2月13日はあった」という結論を出す論理が腑に落ちない。また、高市大臣が「捏造」と言ったことは、「2月13日に大臣レクがあったこと」を指しているわけではなく、記載されている内容が氏の記憶に合致しないことなので「捏造」と言ったわけであろう。


とすれば、「2月13日に大臣レクがあった」ということだけで、高市大臣の「捏造」発言が崩れた、というのも論理が破綻している。


極めて分かりにくいことになっていて、何が何だか分からない。


高市大臣の言動については理解の範疇だと思う。総務大臣時代の文書が出てきて、自分が目を通したこともない、書いてある内容も自分の記憶と全く違う、と思えば「捏造」と思っても仕方なかろう。しかも、「捏造」とされた4枚の文書は、お役所文書のフォーマットに従っていない部分が複数指摘されているわけである。


総務省からは「提出された文書は『行政文書』であるが、その「正確性」については精査中である」と報告されれば、「その結果が出るまで議論できないだろう」となるのが普通だろう。


ところが、内容の正確性に「疑問符」がつけられたままの文書をもとに質疑が行われ、それに答弁するたびに、「あなたの答弁は信用できない」と言われれば、たまったものではない。正確性の担保されない(ということは「間違っている可能性がある」)文書をもとに勝手なストーリーを作り、それに沿わない答弁であれば「信用できない」という。これが国会の議論なのだろうか?


で、疲れ果てて「そんなに信用できないのなら、質問するな」と本音が漏れてしまったら、厳重注意である。厳重注意は確かに適切な対応であり、また高市氏も、その後の質問についても答弁拒否はせず、きっちりと答弁し、義務を果たしているわけである。


ということで、高市大臣の言動は領解可能なのであるが、それがなぜこんなにもつれたり、この問題に拘泥するのかが分からない。なお、総務省から国会に「捏造ではない」と報告された、というニュースが流れた本日も、総務省ホームページには、「そのように国会に報告した」ということは書かれていない(R5.3/20現在)。ちなみに、文書の正確性についての報告は適宜総務省のHPにアップされている。


なんか変な感じである。

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