第376話 「大」もない、「中」もない

立憲民主党の小西ひろゆき議員が発表した総務省の行政文書問題で、当時の総務大臣であった高市 早苗経済安全保障大臣、内閣特命大臣との間でやり取りがされている。


当初は、小西ひろゆき議員の文書に対して、「捏造」であり、「真実」と証明されれば「大臣・議員を辞職する」と高市大臣はおっしゃられた。その後、現総務大臣から、「小西議員の文書は『総務省の行政文書』である」との発表があった。


「総務大臣は忖度なく、『行政文書』と認めたなぁ」と、現総務大臣は、大臣としての職を全うしておられると思ったと同時に、高市大臣、厳しいなぁ、とも感じた。少なくともその文書が正しいかどうか、「ご本人」が一番ご存じであろう。高市大臣は、野党の口車に乗って、行き過ぎた発言をしてしまったか?と気にもしていた。


面白いのは、マスメディアと、ネット上でその扱いが全く異なっていることであった。マスメディアでは、比較的高市大臣に批判的で、追加砲として奈良県支部での収支報告書の偽造に、高市大臣と秘書が関与しているのでは、という報道をしてきた。おそらくネタは以前からマスコミは握っていたのかもしれない。「ここだ」という時点で追加砲を撃ったのかもしれないなぁ、なんて、安直な陰謀論も考えたり考えなかったり…。


一方でYouTubeなどでは、小西ひろゆき氏の提出した文書に対する批判の画像が多数投稿されており、その対比は見事である。


そしてその後、総務省から「行政文書については、『行政文書』だからと言って必ず『正確性』が担保されているわけではない」「提出された文章の正確性については精査中」との報告があり、提出された文書の多くが、「作成者不明」や「作成日時不明」など「正確な情報」とするにはかなり問題のあるものである、と明らかになってきた。


高市大臣が「捏造だ」と言った4枚の文書については、文書の形式や表記など、「正しい官僚文書」の規則に則っていないところがあるとの指摘があり、それらを考えると、高市大臣が「捏造」と言ったことを否定するには、この文書は「根拠に乏しい」わけであり、この時点で「水掛け論」になってしまうわけである。


個人的には、解決すべき問題が山積なのに、この時点で、この問題にこれ以上拘泥する意味はないと思うのだが。


最近の立憲民主党の議論は、総務省が発表した「文書は行政文書だが、正確性は担保できない」という事を無視して、ゴリ押しで進めているように感じる。


もっと大事な問題を議論しろよ、と思わないでもない。


因みに表題、「大」も「中」もないので、「小」もない、という事である。つまらないダジャレで申し訳ない。

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