第344話 30年間の経済成長は、本当はこれくらいなんだろう

今日は税務署に確定申告を提出するのに合わせて、少し妻とお散歩をしてきた。


税務署のある街は、自宅からも、通学していた高校からも少し離れているのだが、頻繁に友人と遊びに出かけていた。街並みは変わっているところもあれば、そうでないところもあり、税務署周辺は古くからの集落なので、基本的な街並みは変わっていない。


駐車場に車を止め、税務署に行くと、結構な行列ができていた。わたしは作成した書類を提出するだけだったのだが、「提出のみの方」の列も結構長く、多分、「税務相談」の列だと思うのだが、そちらの列も結構行列ができていた。


妻に、「やはりこの時期はたくさんの人が確定申告するんだねぇ」と話したりしながら、行列が進むのを待っていた。30分くらい並んだだろうか、ようやく庁舎内に入れてもらうことができ、窓口前の行列に加わった。「提出のみ」の列のはずなのだが、人によっては窓口の人とそれなりの時間やり取りした挙句、別の職員さんが、「ではこちらの方に」と(おそらく相談コーナーの方へ)案内したり、ということも見られた。


私も書類を提出し、もちろん「提出のみ」のコーナーなので、突っ込みも何もなく、書類がそろっているのを確認してもらい、「はい、受理しました」の一言で終了。提出そのものは2分ほどで終わった。多分、「提出のみ」の列に、上記のような人が混じるから、流れが悪くなるんだろうなぁ、と心の中で思いながら税務署を後にして、街中を妻と散策した。


この街の商店街の中に、小さなたこ焼き屋さんがある。高校時代に親友Fが見つけたのだが、Fと二人、あるいはそのほかの友人たちも交えて頻繁にお世話になっていた。たこ焼きを食べながら、恋バナ、クラブの話、音楽論、ビートルズやS&Gの話など、どうしてあの頃は、と思うほどに止めどなくおしゃべりをしていた。今もそのたこ焼き屋さんは残っていて、今日は妻と二人で暖簾をくぐった。


高校時代は、たこ焼き10個1皿140円、回転焼きは1個40円→45円だったが、今日値段を見ると、たこ焼き10個一皿380円、回転焼き1個130円となっていた。5年ほど前に来た時も同じような値段だったので、ここ最近の物価上昇に引っ張られての金額ではない。


考えてみれば、自動車やバイク、ほぼ同じような車格だったら、私が大学生になりたてのころと今とで、価格は2倍近く上がっている。それを考えると、たこ焼き屋さんの値段も多分妥当な値段なのだと思う。振り返って、幼稚園に入るか入らないかのころ、「菓子パン」は大体50円前後で買えていた。それが大学生のころには120円くらいになっていた。


本来はそのようにして物価は経済成長とともに上がっていくのが当たり前のはずである。たこ焼き屋さんの値段が上がっているのは「暴利」でも何でもなく、まっとうな金額だと思う。給料や、ほかの物価があまり上がっていないことが本当は異常なのだろう、と思った次第である。


また、何本か高校時代にジーンズを買った「アメリカ衣料」、今もお店は残っており、昔の雰囲気を残してはいたが、ジーンズの品ぞろえは貧弱になっており、あまり売れていないことがよく分かった。昔のように、サイズの合うジーンズがあれば買おうと思っていたのだが、あまりにも品ぞろえが少なく、私に合うサイズのものが置いていない。残念である。


ジーンズはLEVI’sと決めているのだが、ファストファッションのデニムに追いやられて、簡単に手に入らなくなってしまった。これも残念なことである。

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