第291話 頑張れ!南海高野線!

一昨日~昨日の大雪で、昨日は近畿圏の交通網がずいぶん乱れたが、1日経って、寒さは変わらぬものの、大阪平野からは雪が消え、交通網もほとんど回復した。


ただ、復旧にしばらく時間がかかる路線がある。「登山鉄道」と言えば、関東では「箱根登山鉄道」が有名で、全国的にも知名度がある。関西圏では「登山鉄道」と名前はつかないものの、本質的には「登山鉄道」というべきものがいくつかあり、その一つが「南海電鉄高野線」の「高野下」駅から「極楽橋」駅までの区間である。


「大阪の路面電車」である「阪堺電気軌道」は南海電鉄の子会社で、いつぞや次男君に「路面電車に乗りたい!」と希望され、天王寺→浜寺公園→恵美須町と1日乗車券で乗り潰しをした際に、南海電鉄アプリをスマホにダウンロードし、そのままにしているので、日常の生活圏とはずいぶん離れているが、南海電鉄の路線情報、運行情報も通知が届く。


昨日の夕方だったか、南海電鉄アプリから「復旧のめど立たず」という通知が届いた。アプリを開けて内容を確認する。


「昨日(1/24)からの大雪で南海電鉄高野線の「高野下」~「極楽橋」間、ロープウェイ「極楽橋」~「高野山」間が運休となっています。同区間は、急勾配かつ曲線も急なため、除雪用の車両が入れず、現在人力で除雪を行なっております。復旧の見込みは立っておりません。ご了承のほど、お願いいたします」との文章とともに、数枚の「スコップをもって除雪に励む社員」の写真が掲載されていた。


都市部の大手私鉄ではほとんどの車両が、1両20m程度の規格となっている。JRも都市部の電車はそうである(田舎のローカル線は別)。南海電鉄も本線と、高野線でも高野下までで止まる電車は1両20mの規格なのだが、そこから山登りをして、終点の極楽橋まで行く車両は1両17mと、急カーブに対応して、車両が短くなっている。もちろん、駆動系にも手が入っていて、同社のいわゆる「ズームカー」と呼ばれる電車しか終点にたどり着けない。


空海が開いた高野山金剛峰寺は、おそらく山高く、かつてはたどり着くのが困難な場所だったのだろうと思っている。道路の整備や鉄道の整備などで「世界遺産」として観光ができるようになったが、やはりこのような自然災害には、平地では遭遇しない状況となるのだろう。


保線スタッフの皆さん、大変ご苦労様です。きつい仕事ですが、安全第一で、除雪作業のほど、よろしくお願いいたします。

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