第261話 やけどした。

つい先ほど、大後頭神経痛で寝込んでいる妻に、「お昼ごはん、何食べたい?」と尋ねた。私が起床した8時ころからこたつで寝込んでいて、飲まず食わずだったからである。


「う~ん、これといって食べたいもの無いんやけど、目の前に何か出てきたら食べるかな?」というので、彼女の好きな素麵を茹でることにした。


我が家では正月はお雑煮とお煮しめ、そして子供たちの大好きな栗きんとんくらいしか作らず、それらも昨日食べ終わってしまったので今日は「普通のごはん」の日となってしまった。


そんなわけで、ふるさと納税でいただいたちょっと高級な「三輪素麺」(彼女曰く、揖保乃糸よりも三輪素麺がおいしい、とのこと)を出して、茹でていた。


素麺は何より歯ごたえが命。説明書きにはおおよその茹で時間が書いてあるが、何より大切なのは自身の感覚。少し短めにタイマーをかけ、茹で具合を見ながら、ザルを用意した。


麵の量が少し多かったので、取っ手のついたザルでは小さいと思い、取っ手のない大きめのプラスチック製(1998年に100円ショップで購入した)ザルを用意していた。


ちょうどよい歯ごたえとなり、「今だ!」とザルを手に取り茹でた素麺をザルに上げる。数秒後、ザルを支えていた私の中指~小指に違和感が…。「あれ?あっ!熱い熱い!」ゆで汁がその3本の指に思いきりかかっていた。


当然素麺は冷水で冷やすので、すぐに水道水(この時期は水が冷たくてありがたい)を出し、麺と指を冷やす。麵の存在のため、お湯がザルの真下に落ちず、ザルの側面から流れ出ることとなり、「この辺を持てば大丈夫だろう」と思っていたところまでお湯がやってきたのが原因だった。あほやなぁ、俺。


妻と素麺を食べているときもやけどをした指が痛い。左手の指先は、ギターを弾くのでカチカチに硬くなるほど皮膚が分厚くなっているが、右手の指先はそれほどでもないので、ヒリヒリして痛い。まぁ、「痛い」ということは、神経が損傷されていないことの証明なので、やけどとしては軽症なのだろう。


今、やけどした指を見てみる。プラスチックの網の模様に従って、マス目のように小さな水ぶくれができてきた。多分浅いⅡ度熱傷なのだろう。しばらくは痛みが続きそうだ。


あぁ、おバカさん。

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