第211話 Exactly!(そのとおり!)

今朝読んだネット情報から。


とある塾講師の方のツイッターが、とあるサイトで取り上げられていた。曰く「偏差値40程度の高校に通っている生徒さんが、ものすごく勉強を頑張って、MARCHレベルまで偏差値をあげてきたけど、英語の長文問題が高校生なら当然知っておくべき一般常識を知っている前提で作られていて、その一般常識の壁を乗り越えられない」とのこと。実例として「20世紀は2000年から」と思っていたり、「『赤道』って何?」というようなことを挙げられていた。このような一般常識は、「何を知ってて、何を知らないか」がわからないので、教えるにも限界がある、とのことだった。


あぁ、それわかる、と思った。学生時代の家庭教師をしていた時も、子供たちの勉強を見ていた時も、時に設問の前提条件となる常識的な知識がなくて仰天することがしばしばだった。教科の「この単元を教えてください」という要望に応えるのはそれほど難しくないのだが、「雑学」というか、「一般常識」って、効率的な教え方がないので大変困る。


そういうことも含めて、「知力」だよなぁ、と思う。


先日たまたま、いわゆる「全国レベル」で名前の通る進学校に通っている長男君(誤解のないように言っておくが、「鉄道研究部が地元の公立中学校にないから、鉄道研究部のある私立中学に行きたい」と小5の時に長男君は志願したのである。親としては安上がりな市立中学に行ってもらうつもりだったので、青天の霹靂だったわけだが。受験勉強の塾など応援はしたが、決して中学受験を強制したわけでも、推奨したわけでもない)が、友人と調整が必要なことがあったため、直接友人に電話を掛けたことが最近あった。PCの作業にかかわることだったので、長男君はスピーカーモードで友人と話をしていたのだが、本筋の話もすれば、雑談もするわけである。その雑談のレベルが明らかに一般庶民とは違うレベルなのである。


雑談の中で、岩波文庫の帯、表紙の色に話が及び、近代経済学者の名前を数人あげて、「岩波文庫では『白』に分類されてるけど、俺的には『青』やと思うねん」などと話をしていた(繰り返しになるが、本題は「PC作業にまつわる問題」)。


岩波文庫の帯、表紙は黄色が日本古典文学、緑は現代日本文学、赤(ピンク?)は海外の文学、青は歴史、思想、芸術、哲学など、白は法律、政治、経済、社会学と分類されているようである(今調べた(笑))。そんなわけで、おそらく名前の挙がった近代経済学者は、「経済学」というより「哲学」という視点で議論すべき、という話をしたのだろう。息子も相槌を打って、「それな」とか、「いや、それはちょっと腑に落ちんな」などと笑いながら話をしているわけである。少なくとも私の高校時代、そんなレベルの話をしたことがない。あ、もちろん、趣味の世界の話は別だが。


そういう点で、「偏差値」は絶対ではないけど、単純な試験結果だけではなく、ある程度の「知力」を反映するものかもしれないなぁ、と思った次第である。

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