第65話
「ちょっと休憩ー」
ふと演出家の先生が花園先生のところに言ってあれこれ話始めた。しかも海倉監督まで覗きに行ってる……。
なにっそれ?
「守ー頑張ってるじゃん!」
「瑠璃さーん」
それでも僕は嬉しい。煩くてもなんでも彼らが傍にいてくれるだけで、こんなに嬉しいとは。もう涙で前が見えないっ。
「なんで演出家の有家さんがライダーの脚本家の花園先生と話してるんでしょうね?」
「あれっ? 何言ってんの守? 今回のこのシナリオ花園先生だよ?」
「えええーーーー!!」
僕は思わず声を上げてしまった。台本に一ミリも花園先生の名前がないっ!!
「知らなかった!」
「げっ、マジで? 守ーーそれやばいよ花園先生傷つくよ!」
「だからかーなんか懐かしい感じがしたんだ。うんうん」
「てか、隆二さんと守さんが最初にやったドラマも花園先生がシナリオ書いたんだよ、彼は主にBLのシナリオを書いてるの!」
「えっ、ほ、ほんとですか! あれ、でも名前が違うような」
「ああ、BLの時は違うペンネームなんだよ。女性の名前みたいにしてるの」
そうなんだぁ。そうか。ジャンルによって作家さんが名前変えるってどこかで聞いたことはあったけど。
「うーーんまぁね、珍しいけどね。でも俺はさぁ。これ……」
「うん? なんですか?」
「いや、なんでもない、大変そうだけど頑張ってね!」
「ありがとう」
僕は瑠璃さんが脚本を眺めている時に呟いた言葉が京花さんのそれに似て、少し戸惑った。
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