第47話

 僕は切なさで身も心も震えていた。

 彼の瞳は静かだけどとても深く熱くギラギラと僕を射抜くかのように見つめている。


「お前ほどに激しく身も心も繋がった男はいないよ。後にも先にもいない。まだわからないならしばらく毎日とことんするか? 乱暴にされるのが好きなら好きって言え、押さえつけられるのが気持ち悦いなら悦いって言え。お前が一番嬉しい形で貪ってやるから」

「ああ、ああ、ぼ、僕は……」

「ああ」

「誰よりも、あなたに愛されたい……」

「そうだろ? だいぶ素直になったじゃないか」

「誰にも取られたくないっ、だ、だから、お願い……僕を……っ……」


 僕は涙が溢れそうになった。これを超えてそうしたらどうなってしまうのだろう。


「怖いのか? 怖くはないだろ? 今更何も怖くないから言ってみろ」

「僕はほんとは凄く嫉妬深くて、遠慮のない人間なんだよ、僕をあなたで閉じ込めて、僕はっ、あなたに縛られてめちゃくちゃにされたいっ、それくらい愛されたいっ!」


 涙が頬を伝って震える声で言った。

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