4-2.勘違いがそのままネタになってます

No.2908地理

No.5404隠し包丁

No.1919もずく



「このアナウンサー嫌いなんよなー」「え? そうかい? えらいベッピンさんやないかい?」「ほれがあかんのや。よーみてみ。『私美人でしょ?』みたいな顔してまんがな。いけすかんで」「ほやけど、人気やがな」

「……」

「あー、誰か消してくれへんかな、あのアナウンサー」「おい、そないなこと言うなや、縁起でもねえ」

「……」

「なんやねんこれ。いけ好かん……もっとこう、隠し包丁で……ザッと。切ってやってやな。したら……まともになるわいな。」

「……」




『では呼んでみましょう。沖縄県物産店の斎藤アナー?』

「はーい、いいお天気になりました。こちらは沖縄店物産展に来ておりまーす!」

「……」


「ではいただいてみたいと思いますが、ここで地理が得意な三宅アナにクイズでーす! 次のうち、沖縄県が、生産量日本一なのはどれでしょう? A,ワカメ B,もずく C,コンブ。さあ、どれでしょう?」

『えー、沖縄県ですよねー。でもどれもありそうですよねー。じゃあ、Cのコンブで!』

「せいかいはー。Bのもずくでしたー」

『へー』

「沖縄県でのもずくの生産量は16402t、日本でのシェア率99.6%なんですよー!」

『えー、そんなすごいんですね』

「そうなんですー。まさに知る人ぞ知るなんですが。さらに沖縄県ではですね、このもずくをある調理方法で食べるのが定番らしいんです。それがこちら。もずくの天ぷらでーす」

『えー! てんぷらにしちゃうんですかー!』

「ほとんどの方は、もずくといえばもずく酢だと思いますが、沖縄からすればもったいないの一言!」

『なるほどー』

「というわけで、いただきまーす」


「ふんっ!」

「うっ!」

「飲み屋にいたおっさん! 仕事してやったぜ!」

『キャー!』




「夕方のニュースです。本日、東京は品川駅で開催されていました沖縄物産展を、テレビクルーが生中継で取材していたところ、仕込み刀のようなものでアナウンサーを刺したとして、住所不定、自称『何でも屋 鼠小僧』を名乗る、田中道弘容疑者を殺人未遂の現行犯で逮捕しました。調べに対し、『俺は何でも屋だ。居酒屋のじじいのうっ憤を払ってやっただけだ』などと供述しており――」

「凶器に使われた包丁は刃渡り15cmほどで、傘の柄の部分に隠して持ち歩いていたようです。警視庁元刑事部1課の本永さんに来ていただいております。この事件どうみますか?」

「そうですねー、犯人の供述ですが、まず居酒屋の会話を盗み聞きして、うっ憤を一方的に勝手にはらしたと言っているようですね。どうも今回被害にあわれたアナウンサーを狙っていたようで、かなり綿密な用意がされていたように思います」

「なるほど。ありがとうございます。凶器についてはいかがでしょうか?」

「まあ、準備に時間がかけれたという点もあるでしょうが、どうも警察の調べでは、当時居酒屋にいた男性から事情を確認できているみたいですが、『隠し包丁の話をした気がする』と言われているようで、犯人は隠し包丁と仕込み刀を間違ってとらえていた可能性が出てきています。引き続き情報に期待したいと思います」

「ありがとうございました。以上、夕方のユースでした」

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