2.約5億年前の海に生息したラディオドンタ類の節足動物
2-1.俳句って三題噺の逃げ道として優秀ですね
No.2498秋の空
No.9512アノマロカリス
No.4243ほうき星
「研ぎあげて包丁黒し秋の空」
「なんそれ?」
「長谷川櫂って人の俳句」
「また俳句かいな」
「またも何も、秋の空やなあと思ってそんな俳句を調べたらちょうどいい感じに俺の好みの俳句が見つかって——」
「やかましいわい! そういうこと言うてへんねん」
「じゃあなんよ」
「いや、また俳句かいなって」
「だから、秋の空や思って——」
「あー! もーええわ」
「おう」
「というか、まだ秋の空ちゃうくないか?」
「あー、まあ、まだ8月やねんけどな。立秋は過ぎたもんで暦はもう秋やねん」
「意味わからんな」
「まー、昔決めた季節感やからな。今とちゃうところは出てきてもしゃあないわな」
「……。"あらゆる場所で空を見上げてる人がいる"」
「あれ、それなんやっけ」
「あのー、あれよ。『焼きたて!!ジャぱん』のOPの『ホウキ星』よ」
「あー! 『ホウキ雲』な」
「あら」
「あれきれいな歌やねんなー」
「お前からそんな感想が出てくることあるんやな」
「失礼な! ゴリゴリのロックからメロディアスな泣ける歌まで全部好きやで」
「まー、ロック聞いとるイメージはあるねんけどな。そんなしっとりした曲聞いとるイメージないで」
「なんかなー、奥華子とか結構好きやで。もう泣けてくるもん」
「泣くのは知らんけど」
「もう最近涙腺が緩くてさ。『ガーネット』なんて聞いた日にはもう」
「わかったわかった」
「でな、最初に戻んねんけど、お前も俳句やってみんかって」
「いやだって、今んとこ魅力伝わってへんから」
「ほら、あのー、季節感を感じれるというか、気にすることができるっていうか」
「別に、あっても特別嬉しくないしなー」
「あー、あれよ。じゃあ。あのー、俳句ってノンジャンルやからさ」
「いや、無理やろ」
「そんなことあらへんよ。あのー、プレバトでお馴染みの夏井いつき先生とか、めっちゃいろんなこと挑戦してるで」
「無理やと思うねんけどな」
「じゃあ、もう、あれよ。絶対俳句作れんやろみたいなお題頂戴よ。それで作れたらそういうことやろ」
「なるほどな。やるならマジでえぐいのがええよな」
「そらな。中途半端なやつで作っても、伝わらんからな」
「んー、まてよー。あー、んー。……。アノマロカリス」
「なんやっけ、それ」
「わからん。なんか出てきた。神話とか星座とかじゃね?」
「あー、名前的には、納得感はある。えーっと、んー。……。あー、なるほどな。5億年前の海洋生物や。ほれ。」
「……。あー、見たことある。あー、お前かー。え、お前か! えぐ」
「はい、アノマロカリスで俳句な。制限時間5分」
「やばいやばい! えーっと」
「秋の空アノマロカリス鳴きにけり」
「3点」
「3点満点か」
「アホか! 100点満点や!」
「やば、激低やん」
「努力は認めて3点な」
「クソかよ」
「ま、これでは俺は俳句はやらんな。出直してこい」
「腹立つー!」
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