第3話 まさに女神様

突如始まった!!美玲さんの

コンサート……。


会場全体からは、怒濤の如く

声援が送られる。


中には、『』と叫びまくる輩も居た。


余りの熱量に、俺は少しおののいていると、


美玲姫は次の曲に移った……

バラード調の切ない恋心を歌った歌詞!!



俺は……顔を見上げた。

《アルバムの3曲目だ!!》


噂によると、美玲姫が大失恋を

した時に、書いた歌だそうだ。



聞き慣れた曲が……俺の耳に

心地よく入ってくる。



俺は……手を伸ばせば彼女に

触れられる距離に居るのに


その歌詞は、切なくて哀しくて

泣けてくる……



美玲姫……俺なら美玲姫を

泣かせはしないのに……


曲のクライマックスと俺の感情が

重なって、



俺は……知らぬ間に涙を流して

いた。美玲姫が歌姫と言われる

由縁は、聴く人の感情を揺さぶる

歌詞とメロディー



それに、その圧倒的な

ビューティフルボイス……。


甘いルックスからは

男達を虜にするフェロモンが

漂っていた。



吉川美玲姫は、まだ若干18歳。

高校3年生なのだ。


大学進学か?!と話題になったが

学園側との交渉の末、


海外留学する事に、決まっていた。



美玲姫の初めてのコンサート

には、50000人集まった!


美玲姫を見たさに、皆が大声を

張り上げる。



俺は……俺は……。




パーンッッ!!!と頭の中で

何かが……弾けた!!



その瞬間!俺は……とんでもない

行動に、出ていた!




本人が……ちょうど

バラードを歌い終えて、会場全体がシーーンとしている時に、



俺のバカでかい声だけが響いた!




瞬間、美玲さんはチラリと

こちらを向いた。



俺は……俺は……

美玲さんと、目が合った??



瞬間、美玲さんは笑顔を見せた。



美玲姫は、深々とお辞儀をして

次の曲に移った……。




あの笑顔は…………?!!



美玲さんは、確かにチラリと

こちらを見てた?!



俺は……頬を叩いた。



痛かった。





美玲さんに、目を向けられた!

あの歌姫に!!



途端に、俺は……嬉しすぎて

天にも舞い上がる気持ちになり



美玲姫を目で、追い続けた。



だが……それ以後

美玲姫と、目が合うことは

なかった。





切なくて、切なくて

いとおしい。貴方は……


私を置いて、何故消えたの?




わたしは、ここに居るのに。



貴方はわたしを

思いきり愛して消えていた。



だけど、いつしか


わたしは、あなたを……






曲が……続いていたが



俺は美玲姫に曲の切なさを

間近で、聴くたびに



美玲姫と恋愛する事の難しさや


現実の壁を……




そのコンサートで

思い知ったのだった…………







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る