文化祭の出し物決めにて
翔太が俺と七海を推薦して、瞬く間に教室は盛り上がり半ば強制的に俺たちがやることになった。まぁ、確かにあのまま誰も上げなかったら俺たちがやっていたかもしれないが。
そしてHRが終わり、放課後。俺たちは翔太のところへきていた。
「翔太、なんで俺たちを推薦したんだ?」
「そっちの方が二人にとって都合が良いかなって思ってな」
「都合?」
「いや、二人で文化祭の時一緒にいたいなら同じ役職なら角がたたないのかなって。ほら、付き合っているとはいえ、仕事は仕事で別々でやらなきゃいけないこともあるだろうから、ここで一緒に実行委員になれば本番も一緒にいてもおかしくないからさ」
「そこまで考えていたのか」
「おう!任せておけって」
こうして俺たちは文化祭実行委員になったのだった。
委員になったといっても、まだ本格的な仕事は無い。今はせいぜいクラスのみんなと文化祭の出し物を考える程度だ。
「七海は実行委員なんてやって大丈夫か?」
「何でー?」
「いやさ、クラスの前で話したりしなきゃいけない場面もあるだろうし、委員会とかで別のクラスとか学年の人とも話さなきゃ行けないから」
「あー、そう言うことね。私も不思議なんだけど、明人がいれば大抵のことは大丈夫になるんだよねー。ほんとに不思議」
「そうなのか?まぁ、それならいいけど。取り敢えず、無理だけはしないで何かあったら遠慮せずに言ってね」
「うん!」
その日はそのまま家に帰り、次の日。
俺たちは教室でみんなの前に立っていた。
「―ということで、明後日までに文化祭でやりたい出し物を各々考えておいでください」
「「はーい」」
文化祭の日程や、ルールなどをみんなに簡単に話した後、文化祭の出し物決めのアナウンスをする。これが俺たちのはじめての仕事であり、何事もなく成功した。
そしてきたる明後日。
俺たちは再び教室で前に立っていた。そのまま話し合いの司会をする。
「みなさん何かやりたい出し物ありますか?」
七海がそう聞くと、委員決めの時が嘘かのように次々と手が上がる。
みんなが考えた出し物は大まかに、お化け屋敷などのアトラクション系とカフェのな飲食系に別れた。最終的に多数決で決まったのは飲食系となった。それも、和装喫茶だった。なんでも、クラスの中にそういうのに強い子がいて、貸し出ししてくれる知り合いがいるらしい。それも無料で。ありがたい限りである。
とういうことで、俺たちのクラスの出し物は和装喫茶で決定となった。
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