夏休みの宿題にて

 次の日、俺は夏休みなのに朝早くから起きていた。

 暫く朝早くから勉強している京の勉強を見ていると、


ピンポーン


インターホンが鳴った。

 俺が玄関に向かうと、そこには大きい鞄と共に今日約束していた七海が立っていた。


「おはよ!」

「おはよう」


 取り敢えず七海を家の中に招く。リビングには勉強をしている京がいた。


「いらっしゃーい。おねぇ」

「おはよ!京ちゃん!朝から頑張ってて偉いね」

「…うん」


 京は少し照れた様子でまた勉強に向かう。


「取り敢えずどこで宿題する?」

「私、お昼ごはん食べたら午後から友達と一緒に勉強しに図書館に行く予定だよー」

「じゃあそれまでは俺の部屋でいいか?」

「うん!明人の部屋!」


 そう言って俺たちは部屋に向かった。七海は俺の部屋に入るやいなや、一直線に俺のベットにダイブした。


ボフッ


 七海は飛び込んだ状態からうつ伏せでピクリとも動く様子がない。俺はベットの縁に座ると七海の肩を叩く。


「ほら、少し休んだら宿題やろ?」

「んー」


 七海はそのままの状態でそう返事をする。なんか微笑ましくなって頭を撫でると、頭だけこちらを向いてにへらと笑う。


「じゃあ、そろそろやろっか」

「はーい」


 俺が立ち上がって机に向かうと、七海もベットから降りて一緒に机に向かう。


「最初は何からやる?今、俺がやってないのは数学と英語かな」

「じゃあ数学やろ!」


 そうして俺たちは数学のドリルを開くと、それからずっと二人、教え合いながら宿題をやり、数学の課題が終わる頃にはもうお昼の時間になっていた。


「キリがいいし、そろそろ飯にするか」

「さんせーい」


 俺たちはリビングに向かうと、まだ京は勉強していた。


「俺たちはそろそろお昼にするけど京も一緒に食べるよね?」

「うん!食べる〜」

「じゃあみんなでお昼ご飯にしよっか」


 みんなでお昼ご飯を食べると、京はもう図書館に行くらしく準備をし始めた。準備を終えると俺たちに挨拶して家を出る。


「じゃあおにぃ達頑張ってね。いってきまーす」

「いってらっしゃーい!」

「いってらっしゃい。気をつけてね」

「はーい」


 京が図書館に向かうと、家に俺と七海の二人きりになる。


「ねぇ、明人?二人っきりだね。」

「そうだなぁ。やるのは夏休みの宿題だけど」

「えー!」

「はい、じゃあ英語やるよー」

「もう?早くない?もう少し食休みしよーよ」

「そう言ってるとずっとやらないでしょ?」


 そうして俺たちは俺の部屋に宿題を取りに行ってリビングでまた宿題に勤しむのだった。

 結局この日、俺たちは日が落ちるまで宿題をしていた。

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