39 スキル選択による人間社会潜入大作戦会議


 現在のステータスを確認する。


【ステータス】

●カナタ・コトヨ 男

●生命力 60/60

●生命装甲 500/500

●個人魔力 635/635(+500)

●スキル:魔眼lv05(霊視・魔力喰いlv03・遠視)/個人情報閲覧/総合制御lv10/運動能力強化lv03/仮想生命装甲lv05/魔力最大値増加lv05/生活魔法lv05/空間魔法lv02/基礎魔法lv10/魔法応用lv02/神聖魔法lv02

●蓄積魔力値:175250

●加護:勇武の神ガバ(恐怖耐性lv02)


「うわっ、すごい」


 貯蓄魔力値がびっくりするぐらいに溜まっていた。


「さすがは竜石だな」


 この間のドラゴンの巣で分解したきれいな結晶だけでこんなになったのか。


「これだけあるといろいろできそう」

「そうだな」

「なにを取った方がいいかな?」

「好きにしろと言いたいが……カナタはまずなにを目標にする気だ?」

「ええと……まずは遥さんと接触?」


 アリスの言い様だと元の世界に戻そうと思うとかなり長い道のりになりそうだ。

 だからそれよりも前の段階の目標を聞かれているんだよね?


「まだなんとなくしか場所がわかってないし、それがわかるようになるといいよね」

「うむ。後は、人間の街や村に潜り込む方法もな」

「このままじゃだめ?」


 魔物はスライムの存在を気にしてなかったような?

 サイクロプスが嫌がっていたけど、だからって邪魔しには来なかったし。


「体験してみればわかる……と、言いたいが、それだと我もあの屈辱をもう一度味わうことになってしまう。……だめだ」


 アリスが真剣な顔で言った。

 本当に嫌な目に遭ったんだ。


「スライムを見つけるとな、あいつらは専用の器具で捕まえて、クソだまりに放り込む」

「ぶっ」

「田舎だと放置されたり畑などから追い払われたりする程度だが、都市部だとそうなるだろうな」

「なんとなく、理由は分かったよ」


 田舎や農村部なら肥料っていう役目もあるんだろうけど、大量に人がいる都市部だと、排泄物の処分って重要な課題だろうしね。

 それにスライムを利用できるなら簡単でありがたいのかもね。


「うん、僕もそれは嫌だ。方法は?」

「まずは力押し」

「はい却下」


 一番目にどうしてそれをあげるのか。

 わかってやってるよね?


「それがだめなら先ほども言った洗脳や魅了の魔眼か、透明や変身だな」

「変身?」

「変身だ。他の生物の姿に化ける。スライムの体限定でなら変身の獲得は容易いな」

「ならそれで」


 変身(スライム限定)を獲得。


「ていうか、このスキルってさっきまであった?」


 獲得可能スキル一覧を見ながら質問。


「いや、なかった」

「ええ」

「この程度のスキルならこの場で作ることもできる」

「それは、すごいね」

「そうだぞ、我はすごいんだ」


 ドヤるアリスにちょっとほのぼのしてから次を考える。


「探す方法はもうないのかな?」

「とりあえずは生活魔法と魔眼の遠視をレベルアップするのが確実だろう」


 生活魔法を5から10へ。

 それと魔眼を5から7にして遠視を3にする。


 思い切ってもっと上げようかと思ったけど、魔眼は別の能力を手に入れようとした時に大元の魔眼レベルを上げないといけないから消費が多くなる。

 様子を見ながらやろう。

 逆に生活魔法はとても安いので思い切れる。

 とりあえずは総合制御のレベルに合わせておく。

 生活魔法はこれで習得できるものは全て手に入ったはずだし、単品だと効果はそれほどでもないのでなにか思いつきがない限り、ここで打ち止めで問題ないはず。


「それと、なにかあった時の戦闘能力も必要か」

「逃げ足一択かな」


 運動能力強化を3から5。

 それなら仮想生命装甲は5から10に。

 ここまでで貯蓄魔力値を6610消費した。


 残りは……168640。


「果てしない」


 いっそ思い切る?


「空間魔法を当初の予定通りに10にする?」

「いいんじゃないか? あって困るスキルではない。あちらではむしろ重宝されることになる」

「うーん、そっか」


 なら、空間魔法を2から10に。

 これで52000消費で残りは116640。

 まだ余る。


「あっ」


 うーんと悩んでいたところでこれを思い出した。

 万能翻訳。

 レベルがない代わりに獲得しようとすると十万も必要になる。


「これって、聞くだけじゃなくて話すのも大丈夫なんだよね?」

「もちろんだ」


 会話ができないと怪しまれるかもしれないし、必須だ。

 というわけで獲得。


 残りの16640はとりあえず保留にしておく。


 というわけで、こんな風になった。


【ステータス】

●カナタ・コトヨ 男

●生命力 60/60

●生命装甲 1000/1000

●個人魔力 635/635(+500)

●スキル:魔眼lv07(霊視・魔力喰いlv03・遠視lv03)/個人情報閲覧/総合制御lv10/運動能力強化lv05/仮想生命装甲lv10/魔力最大値増加lv05/生活魔法lv10/空間魔法lv10/基礎魔法lv10/魔法応用lv02/神聖魔法lv02/変身(スライム時限定)/万能翻訳

●蓄積魔力値:16640

●加護:勇武の神ガバ(恐怖耐性lv02)



 よし、これで探しに行ける。


「明日からな」

「え? あ」


 時計を見るとすでに深夜になっていた。

 あっちに行っていて疲れたと感じたことはないけれど、アリスが言うのだから従っておく。


 おやすみなさい。




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