第63話 第2戦に向けて

「6点取ったから次は中位の人達と当たるね」


降谷がそう言うと、皆が頷く。


「次に当たるのはとどろき隊と村上むらかみ隊。轟隊の轟隊長はNTGで武器は両手剣ブレイカーを片手持ちで使っててもう片方の手にシールドを持ってるゴリゴリのSTR特化の人なんだ。まともにやり合ったら赤星くんでも手を焼くと思うよ?」


『ブレイカー』

通常は両手で持つ物だが片手持ちでも一応振れる長さ1.5メートルぐらいの巨大な剣だ。STRが40ぐらい無いとまともに振ることも出来ないがその一撃はカタナを数発で破損させる程の威力を秘めている。

対カタナ使いを狩るために使う者がいるがなかなか扱いにくい為、使用者自体の数は少ない。


「NTGなら何故、アメリカ戦に出ないんだ?」

「轟さんは国技戦には出たがらないんだ……強いのに……!!」


すると、降谷は後悔するような顔で下を向き、手を握った。

どうしたのだろうか?


「どうしたんだ?」

「実は、轟さんが国技戦に出たがらないのって多分、自分がいるからだと思うんだ………」

「何故、そう思う?」


素朴な疑問を言ったつもりだったが慌てて訂正しようかと思った。

誰にだって言いたくないことぐらいあるだろう。

俺だって父さんのことを言いたくなかったしな。


「それが…………自分が轟さんの弟子だからだよ。そして、一緒にNTGになったんだ……!!」

『えっ?』


降谷のその一言に全員が聞き直して、その場が凍りついた。

そして、降谷は語る。

何故、自分がそう思っているのかを……。


そして、そのトラウマを。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る