第62話 これが恋?
最近、あの人を見ると、胸が締め付けられるほど痛くなる。特にあの子と仲良くしてる姿を見てると、特にそう。
あの人はひらたく言えば
いつも、1人で生きていけると言わんばかりの姿。
孤高の存在で
私では到底無理だ。
あのレベルになるのには一生かけても無理だろう。
そんな人が私に指導をしてくれる。こんな名誉あることはあるだろうか?
そして、そんな人に惹かれるのもまた必然というものだろう。
嗚呼、これが…………恋というものだろうか?
*
「よし、20キロ終わりだ!!」
「ありがとうございます……!!」
タイムは約2時間…………まぁ、上々だろう。
「上出来だ。これからも訓練を
「はい……!!」
俺と木原はクールダウンを兼ねて少し歩いた。
「ねぇ、赤星さん?」
「なんだ?」
「私達一応、付き合ってる設定ですよね?」
「ああ、訓練の様子を見られて変な噂を立てられるより良いからな……」
「なら、お互い名前で呼び合いませんか?」
俺は少し黙った。小っ恥ずかしいなったからだ。
「…………か、構わんぞ。成葉……」
「ふふ、裕也さんありがとうございます」
そうして、俺達は立ち止まった。
「あのね、裕也さん。本当に私、感謝してるんですよ?ここまで、NTGの道を歩ませて貰って」
「その点の礼なら降谷に言え……」
「裕也さん。私のお礼として取っておいてください」
そう言うと、成葉は俺の右頬にキスをしてきた。
「なっ…………!!」
「ふふ、しょっぱいですね……?」
そう言うと、成葉は再び歩き出した。
「おい、今のは卑怯だぞ!!」
「えへへ、油断してる方が悪いんですよー!!」
「お前は降谷か?!」
「違いますよだー!!」
そんなやり取りを繰り広げた。
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