第47話 解析

「それじゃあ、今からニブルヘイムの解析に入る」


そう言うのは俺だった。そしてカタカタとスーパーコンピュータを駆使してニブルヘイムに隠されたと言う物を解析する。

ここの部屋は本部長から許可を貰い使わせてもらっていた。

そして、木原にはリアの事は既に伝えてある。


「…………」


無言で操作していると、リアと木原がそれぞれ珈琲コーヒーとドーナッツを持ってきてくれた。


「ありがとう……」


俺は礼を言いつつ手を止めることなく解析を続ける。父さんは無意味なことはしない。それは息子の自分が一番分かってる。


すると、俺はふと、無意識に妙な文字列があることに気がついた。


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隣人を愛せ?


俺は思わず首を傾げた。

ただ単にそう言う文字配列になっただけかもしれない。

だが、偶然には出来すぎているような……?


「これが答えなのか?父さん?」


俺は小さく呟くと呻きながら頭を抱えた。


「あー、分からん?!」


俺はそう言って叫ぶと、四肢を放り出しながらその場に寝っ転がる。


「どうしたの?赤星さん?!」

「大丈夫?赤星……?」


2人が俺の顔を覗き込んできた。


「なぁ、リア?これは一部だと言ったな?」

「イエス!!」

「なら、他の手がかりとなるプラチナデータの存在を知らないか?」

「んー、特にハインリヒ隊長からは聞いてませんね……頑張って下さいとしか言えません」

「そうか……」


手がかりゼロ。

こりゃお手上げだな。


俺はそう思うのであった。

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