第17話 ほっとけない人

『おいおい、強すぎだろ!!』

『お前強いな!?うちのチーム入らないか?』

『いや、こっちのチームに!!』


3時間ぶっ続けで付き合わされた挙句、今度はチーム勧誘になった。

いい加減にして欲しい……。


『誰かNTG通らないかな?』

『そうだそうだ!!NTG連れてこようぜ』


すると、入口の方から1人の大学生ぐらいの女性が歩いてきた。


「何の騒ぎ?」

『あ!!ルミさん!!』


すると、皆が俺を囲むのをやめてその女性の元へ駆け急いだ。


『ルミさん。実は……!!』


すると、皆は事情を説明し始める。


「なるほどね。面白そうじゃない!!」


ルミという女性はこちらへ歩み寄ると、手を出してきた。


「私は広瀬ルミ。広瀬隊の隊長兼エースよ。一応。NTG。よろしくね新米ルーキー?」

「初めまして……赤星裕也と言います。フルアタッカーです。よろしくお願いします」


俺は笑顔で丁寧にお辞儀する。


「えー、赤星くん自分達の時と態度違くない?」

「んっ、なんの事だ?」


目上の者には媚びを売る。

それが社会において最も効率よく立ち回る方法だ。


「…………そうね。あなたの第一印象を言わせてもらうなら嫌いね」


すると、広瀬は眉間みけんにしわを寄せてそう言ってきた。


「そうですか……俺もNTGなんて嫌いですよ?」


思わずイラッとしたので言い返す。


「なら、来なさい。ねじ伏せてあげるわ?」

「分かりました。ボコボコにしてあげましょう」


俺はおちょくった。そして2度目の対NTG戦が始まった。

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