えなじーどりんく

 ちょっと今は頑張りたい、という時にエナジードリンクで糖分・カフェインを摂取して「やるぞー!」とスパートをかける時があります。飲まないぜ、という人もいれば毎日のように常飲する人もいますが、人によって何の銘柄が好きか分かれるのも面白いところですね。わたしは、花譜ちゃんがかつてタイアップしていた「ZONE」を飲むようになりました。


「おとーとくんが飲んでるの、くろいね」

「あおいのもあるよ。カルピス味があってよい」

「ピンクいのもあった!」


 一本あたりのお値段もまぁそこそこしますし、あまり沢山飲むべきではないとされがちなものなので、ぼくもあんまり買って飲むことはありません。ただ、先日推しの理芽ちゃんが出るツーマンライブ(花譜ちゃんと同じ所属)があったので、ライブ観賞のお供にと買ってきました。いやぁいい時間だった。


 ぼくが学生をやっていた頃は、エナジードリンクを飲む、ということが一つのステータスになっていたような気がします。「おまえ特に何も頑張ることねぇだろ……」と言いたくなるような人がモンスターを2缶開けたり、一日に何本飲んだか自慢げに言ったりするひともいましたね……おれはそんなお金がなかった。

 文章を書くという仕事も頭を使う仕事なので、適度にエナドリの力を借りながら、かといって依存しすぎないようにうまく付き合っていこうとは考えています。エナドリは健康の前借り、なんて言葉も聞いたことがあるので……


 さて、こんなことを書いているともう23時を過ぎている。

 今日はなんとかその日のうちに投稿できました。いやぁよかったよかった。


「時の流れを忘れてはいけない、同じ星に生まれし時代の同行者よ」

「おねーちゃん?」


 なにやら難しいことを言いながらおねーちゃんが部屋に入ってきた……


「Remember... 本来、生命とは『眠る』状態こそが本質だったが、生きるために昼覚醒することを覚えた、そう唱える者たちがいる」

「どうした?」

「我々はいつからか、本能的な渇望から逃れる術を獲得し、このBIG WORLDを築くまで至った。だがそれは代償を求める。原初、神が作りし肉体は、今や世界が求めるperformanceを追う枷となった」

「何か悪いものでも食べた?」

「これは、その枷を砕くもの。人としての限界を超え、更なる世界を作り出すためのPowerとなる。手を伸ばせ。さすれば、それは応えるだろう……」

「や、もうすぐゲームやめようかなって思ってたんだけど……」


 おねーちゃんがぴたりと固まってしまった。

 あっ、なんかまずいこと言った気がする。


「……時には、回り道こそが正しい道となる。Do your best. 高い山を登り切るには、進まない勇気も必要だ」


 ぴしゃり。

 おねーちゃんが、部屋を出て寝室へ向かっていった……



「寝ろってコトですね」

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