第43話:怪我の功名?




 お店で販売する物を、綺麗に陳列する事にした。


 でも、棚は飾り気のない無い単なる板だし、お父さんの日曜大工のような台とかしかない。

 元が仲卸業者的な感じだったからしょうがないのかなぁ。


 とりあえず、店内を全力で掃除する!

浄化クリーン!」

 ぐはぁ!光った!

〈やり過ぎだ、馬鹿〉

 うおぉぉ、目が目がぁぁ!

〈ネタか?〉

 違うわ!誰がム○カだ!!

 空飛ぶ城などいらんわ。


 あ~まだチカチカする。

「何だこれ」

 店内が真っ白になっていた。

 汚れが落ちたって意味じゃない。

 漂白されたかのように真っ白なんだよ!

 木の色が抜けちゃってる。



〈木の色素も汚れと認識したようです。良かったですね、棚や建物が異物よごれと認識されなくて〉

 アートモが怖い事を言ってくれた。

 それは、汚れと認識したら、何も無い更地になっていたって事!?


 荷物も無事で良かった。

 箱が真っ白だけど。

〈中身確認しなくて良いのか?〉

 え?

〈中身も真っ白かもな~〉

 ゲッ!ガイアの言う通りだ!


 急いで箱を開け、中身を確認すると……

「Oh No!!」

 木工品が全て真っ白になってるよ。

 木目がナチュラルで良い感じだった食器が、真っ白になって高級感が出た……かな?

 女神像とかは、間違いなくグレードアップした。

 あれ?結構良くない?


 魔導具も無事。

 性能も変わりなしだった。

 物によっては、ちょっと性能アップしてる。

 光る石とか魔導ランタンとか、明かり関係は気のせいじゃなく、明るくなった。



 駄目だったのが、魔獣のウ○コ……じゃなくて、魔物除け。

 肝心の強い魔獣の成分が浄化されちゃってた。

 魔除けの方は、性能アップしてたよ。

 ウ○コは、店の前の花壇に撒こう。


 んん?店の前……てか、色が抜けたの、店内だけか?

 まさかまさかまさかまさか、ま、ま、まさか、の。

 真っ白い扉を開けると、扉の外側も白かった。

 右を見て、左を見て、下を見る。


 壁は左右白。

 店の前の花壇のブロックも白。

 花壇の中の土は土のままだった。

 足元も、うちの建物と思われる敷石は真っ白だけど、公共の土地は変化無し。

 うちのだけが漂白されたんだな。




「これはこれで有り!」

 店を漂白してしまった事をアザトースに伝え、店の確認に来てもらった。

 多分、うちで1番まともな感覚をしているのは、アザトースとマリンだ。

「入りづらい雰囲気ですが、そこは可愛い店員が呼び込みすれば良いでしょう」

 マリンが遣手婆やりてばばみたいになってる!


「いっそのこと、外から見える部分は可愛いカフェとかにしちゃえば良いと思う!」

 なぜか付いて来たテッサが女の子らしい意見をくれる。

 でも、それもありかも。

 1階手前はカフェ、奥は雑貨。

 入口から奥までの通路は広めに確保して、カフェ部分は通路の左右。

 2階は、魔導具とか雑貨でもちょっと高い物。


 前は2階が住居兼事務所だったみたいだけど、従業員の休憩室が確保出来れば良いからな。

 元が倉庫っぽかったから、広さは充分にある。


 おぉ!何か楽しくなってきたぞ。

 アンミラっぽい制服も、この為だったんだな!

〈うん。それは違うけどな〉

 茶々を入れるなよ、ガイアさん。

 テンションアゲアゲなんだからさ!



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