第7話:伏せ字だらけ(マジ)
色々検証した結果、魔法チートが判明した。
全属性は勿論、その全てがレベルMAXだった。
愉快な呪文の弱魔法以外は、ほぼドラ◯エ方式だった。
要は英語の単語。
治癒はホイミじゃなくて、キュアだった。
頭に勝手に単語が浮かぶので、英語が苦手だった俺でも大丈夫。
そして意外とテンパってたんだな、俺。
基本の基本。
まず異世界に来たらやらなきゃいけない事を忘れていた。
「ステータスオープン」
あのヴンッという独特な機械音がして、ステータスウィンドウが開いた。
感動。
『佐藤 由嗣(さとう よしつぐ)
職業:勇者
レベル:MAX
HP:∞
MP:∞
スキル:全世界言語 全属性魔法 調剤 調薬 錬金術 召喚術 獣魔術 剣術 槍術 武術 ナビゲート マッピング サーチ 以下省略
称号:呑気者 空気読め(笑)』
称号、完全に悪口だよな。
呑気者って、全てが終わって平和になってから来たからか?
でもそれは、俺のせいではないよな?
しかも『空気読め』って。更に『(笑)』まで付いてるし。
「勇者様、どうしました?」
平和な世の中で勇者様とか、ちょっと恥ずかしい。
しかも呼んでくる相手が魔法省のトップだよ。
「名前で呼んでください」
首を傾げられた。
あれ?隣の先生も首を傾げている。
「お名前をお伺いしても?」
おぉう!自己紹介してなかった!
勇者は勇者で
えっと本名とか言わない方が良いんだっけ?
「鈴木です。鈴木ヨシヒコ」
「勇者ヨシヒコ様ですね」
アウト!色々アウトだよ、それ!
いや、俺のせいなんだけど!!
あぁ!こんな時に、可愛いお助けキャラとか居てくれたら良いのに!
妖精の女の子とか、ボンキュッボンの女神様とか!
『ナビゲーションシステムを起動しますか?「はい」か「いいえ」でお答えください。口に出す必要は有りません』
キター!ナビゲーションシステム!
良かった!助かった!
ステータス確認したから出てきたのか?
何でも良いや!
『お願いします!』
心の中で唱える。
『「はい」か「いいえ」でお答えください』
無機質な声で答えられた。
え。そこは、それこそ空気読んでよ。
日本語的な曖昧返事はするなって事?
まぁ良いけどさ。
「はい」
あ、声に出しちゃったよ。
そしてそれは「勇者ヨシヒコ様」を肯定した返事になってしまった。
最悪!ヤバイ!
「で、でも、ヨッシーとかヨシ君って呼ばれてました」
子供の頃だけど!
「ヨッシー様ですね」
「はい」
もう、それで良いです。
勇者ヨシヒコだと、色々怖いです。
〈超面白いんですけど!え?第二の銀た◯狙ってる?〉
え?どこから声がしてる?
しかも、ぎ◯魂って日本の漫画!
女子高生に本屋で「キ◯タマください」って間違って言って欲しいとかの理由でタイトル決まったあの漫画。
実写版の監督が勇者ヨシ◯コと一緒だよな。
そういえば腐った人なら、チ◯コでもア◯ルでも平気で口にしてたなぁ。
大学の飲み会の時、端の席で凄い美人が三人で話してるから何かと思ったら、BLの話だったんだよ。
「ネコのア◯ルが柔軟過ぎて笑った」
「え~?タチの絶倫っぷりというか、チ◯コのデカさに思わずフィストファックかよ!ってツッコミ入れたわ」
俺は、男子も居る飲み会で、BL談議するな!とツッコミたかった。
―――――――――――――――
目当て、もしくは良い男が居なかったんだねw
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