第48話

【ダスト視点】


 兵士に囲まれた。

 だが、こっちにはスターダストオーブがある。

 これで俺様の最強装備、スターソードが手に入る!


「スターダストオーブ、起動!スターソードを求める!」


『スターソードを生成します……失敗。魂が適合しません』


「何でもいい!俺に力をよこせよ!」


『起動条件を変更します。検索……スキルの変更が最適解と判定されました』


『最適な固有スキルのサーチを開始……完了しました』


『サーチ結果、魔王』


「魔王でもなんでもなってやるよ!俺を助けろよ!」


『承認を確認しました。魔王への書き換えを行います』


 スターダストオーブが俺の付けている仮面を侵食し、目から鼻までを覆う黒い仮面に変容した。


「あ、ガガガがガガガが!痛え、痛えよお!」


『魔王スキル、魔物使役を取得しました』


「くう、ブラックウルフ、使役!兵を殺せ!」


 俺は飼われているブラックウルフを使役し兵を攻撃させた。

 包囲が混乱する。

 奴らが使役している魔物の支配を俺が上書きして兵を襲わせた。


「殺せ!殺せ!」


 俺は激痛に耐えながら剣を振って逃げ出す。

 20を超えるブラックウルフに俺を守らせながら城の外を目指した。

 門を守る兵をブラックウルフに襲わせて城の外に出る。


 何故か城の守りは手薄だった。

 だが逃げられるならどうでもいい。




 俺は森に逃げ込む。


 俺を見つけたゴブリンを支配下に置く。


「魔物使役!俺を守れ!」


 森の奥に入り、更に魔物を使役していく。


「魔物使役!」


「使役!」


「使役!俺を!守れ!」


 俺は途中で意識を失った。


 


 目を覚ますと激痛で苦しみ意識を失った。


 


 何日経ったか分からない。

 激痛が和らぐと今度は痛みで眠れなくなった。


「はあ、はあ、くそ、マイルド王国もこの国もクソだ!

 俺が苦しんでいるのも皆他の奴らが悪い!

 俺だけがまともで他の奴はクズだ!


 くそ!いてえ!いてえいてえいてえいてえ!

 なんでいてえんだよ!」


『現在、魂に合わせて体を組み替えています!組み換え完了まであと13日』


「13日!止めろ!痛みを止めろよ!」

『体の組み換えを停止できません。停止した場合、体が壊死します』

「ざけんな!」

『栄養の補給を推奨します』

「話を聞けよ!」


『栄養の補給を推奨します』

「おい!お前、食える物を持ってこい!お前は焚火だ!」


 俺はゴブリンが取ってきた魚を焼かせ、骨ごと口に入れていく。

 骨や内臓ごと口に入れて飲み込む。


「もっともって来いよクズが!」


 まったく、俺以外全部クズだ。

 俺は苦痛に耐えながら過ごした。




『魔王スキル、瘴気吸収を取得しました』


 俺は瘴気吸収のスキルを確認した。


『人を苦しめ、殺すほど才能値が上昇する』


「へ、へへへへへへへ!そうか、俺はゴミ掃除の為にいるのか。ゴミは掃除しねえとなあ!ゴブリン!ブラックウルフ!魔物を探してこい!」


 俺は魔物を集め、使役して人を苦しめ、殺させて過ごした。




 苦痛が収まり、川を見ると、俺の顔に張り付くように仮面がついてやがる。

 

「外れねえのか!」


 何度外そうとしても外れねえ。


 俺はステータスを確認した。




 ダスト 人族 男

 レベル:  45

 HP:   315    B

 MP:    315    B

 物理攻撃: 315    B

 物理防御: 315    B

 魔法攻撃: 315    B

 魔法防御: 315    B

 すばやさ: 315    B

 固有スキル:魔王

 スキル:『剣LV19』『隠密LV39』『ヒールLV29』『リカバリーLV18』『ファイアLV32』『ストレージLV16』『ウインドLV1』『ロックLV1』『アイスLV1』『グラビティLV1』『ライトLV1』『逃げ足LV42』『魔物使役☆』『瘴気吸収☆』

 武器 鉄の剣:150

 防具 紫結晶の鎧:250 漆黒のブーツ:150




 魔物使役と瘴気吸収にはレベルが無いのか。

 ☆マークは魔王用だからか?


 まあいい、まずは才能値だ。


「お前ら!人を殺せ!おっと、年頃の女は生かしておけよ!俺が選んで遊んでやる!行ってこい!」


 その日から魔物の侵攻が始まった。




 ◇




「ち、雑魚どもが、すぐに死にやがって」


だがまあいい。



 ダスト 人族 男

 レベル:   45

 HP:   450    SS

 MP:    450    SS

 物理攻撃: 450    SS

 物理防御: 450    SS

 魔法攻撃: 450    SS

 魔法防御: 450    SS

 すばやさ: 450    SS

 固有スキル:魔王

 スキル:『剣LV19』『隠密LV39』『ヒールLV29』『リカバリーLV18』『ファイアLV32』『ストレージLV16』『ウインドLV1』『ロックLV1』『アイスLV1』『グラビティLV1』『ライトLV1』『逃げ足LV42』『魔物使役☆』『瘴気吸収☆』

 武器 鉄の剣:150

 防具 紫結晶の鎧:250 漆黒のブーツ:150



 やっと俺らしい才能値に変わったぜ。

 ち、魔物をパーティーに入れりゃあレベルも上げられたかもな。ミスったぜ。

 レベル……そうだ!



 俺は魔物を使役して集めた。

 そして並べる。


 俺は魔物を斬り殺す。


「次!もたもたしてんじゃねえ!早く来い!」


 列を作り、俺の前に歩かせて俺が殺す。

 何度も何度も飽きるほど魔物を殺して使役する。




 毎日魔物を斬って過ごすのも飽きてきたぜ。


 その時、突風が吹き、ガルウインが空に現れた。


「こっぽー!まだ生きていたのかい」


 そう言い終わると同時に風の刃を飛ばして俺を攻撃した。


「てめえ!何しやがる!」

「皇帝を殺した犯罪者を処分しようと思ってね」


「俺じゃねえ。俺は嵌められたんだ!」

「いいや、勇者ダストが殺したんだ。僕が始末してあげるよ。こっぽー!」

「話を聞けよくずがあ!ガルウインを殺せえ!」


「こ、こっぽ!」


 魔物の攻撃でガルウインは驚いたように俺から距離を取った。


「魔物ども!殺せええええ!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!」

「何!なんだ?この力は!雑魚じゃなくなっている!?」


「雑魚はおまえだクズがああ!てめえ!逃げてんじゃねえぞ!待てえええええ!」


 ガルウインは風魔法を使い飛んで逃げて行った。

 ガルウイン、殺す!

 絶対に殺す!


 俺は魔物を集め、レベルを上げて過ごした。

 砦を襲撃し、武器も手に入れた。




 遂に来たぜ!


 ダスト 人族 男

 レベル:   100

 HP:   1000    SS

 MP:    1000    SS

 物理攻撃: 1000    SS

 物理防御: 1000    SS

 魔法攻撃: 1000    SS

 魔法防御: 1000    SS

 すばやさ: 1000    SS

 固有スキル:魔王

 スキル:『剣LV19』『隠密LV39』『ヒールLV29』『リカバリーLV18』『ファイアLV34』『ストレージLV16』『ウインドLV1』『ロックLV1』『アイスLV1』『グラビティLV1』『ライトLV1』『逃げ足LV42』『魔物使役☆』『瘴気吸収☆』

 武器 漆黒の剣:500

 防具 紫結晶の鎧:250 漆黒のブーツ:150



 やっと俺にふさわしいステータスになったか。

 後は武器か。


『魔王スキルを取得しました』


 これは!へへへへ、そろそろ殺すか。

 ガルウイン!

 それが終わればゲット、貴様だ!






 あとがき

 ダストがアレになるまでを出来ればお盆に投稿したいと書いていました。

 有言実行を目指して追加投稿です。

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