第143話 早苗とのクリスマス
更新遅れてすみません。
――――――
俺、立石達也。昨日は午後八時に家に着いた。加奈子さんには最寄りの駅まで送って貰った。車で移動した時はいつもこうしている。これなら家に一人で帰れる。
家に帰った後は風呂に入った後、直ぐに眠った。流石に疲れた。
翌日、
今は、まだベッドの中にいる。流石に早苗はいない。
今日は十二月二十五日。早苗とクリスマスパーティをする日だ。来年からは早苗だけにしたいのが本音だが、加奈子さんは必ずすると言うだろう。仕方ない事だ。
でも玲子さんと涼子はもうしない。これが俺の区切りだ。
午前八時そろそろ起きようかと思っていると
ブブブッ。
スマホが震えた。スクリーンを見ると早苗だ。直ぐにタップすると
「達也、起きている?」
「いやまだベッドの中だ」
「行こうかな?」
「いいけど、何もしないぞ」
「えへへっ、それは分からない。すぐ行くね」
ガチャ。
切られてしまった。隣同士の特権か三分もしない内に俺の部屋に早苗が現れた。俺は丁度ベッドから起きようとしていた所をそのまま早苗にダイブされた。
「達也、朝の挨拶して」
「な、何の事だ?」
「結婚したら毎日する事」
「へっ?」
いきなりキスをして来た。そのままにしておくと早苗は一度唇を離してから
「私を温めて、外寒いから」
「早苗、今日はずっと一緒だろ。今からそんな事しなくたって」
「駄目、朝の内にあの女の影を消しておくの」
「…………」
参った。早苗の加奈子さんに対する気持ちはまるで敵を見ている様だ。仲良くして欲しいのだが。
「達也、女性ってね、こうして貰っていると安心出来るの。達也の周りには女性が一杯いる。達也は優しい、優しすぎる。誰も冷たく突き放す事なんて出来ない。だからこそ、こうして貰えることが、一番の心の安定になる。
達也がこういう事好きじゃないのは知っている。仕方なく皆にしている事も。でも私には達也がしたいからしているんだと思いたい。お願い達也私だけを見て」
「早苗、はっきりと言っておかないといけない事が有る。涼子、玲子さんそれに加奈子さんの事だ。
涼子からは今まで通りにしないと自殺すると言って来た」
「自殺!」
「ああ、運命で助けた命。自殺なんかで無くされてはたまらない。だが切りが無い。だから良く話しをして別れるつもりだ」
「いやだと言われたら」
「今は答えが出ていない」
「…………」
「玲子さんの事だが、彼女とは約束通り大学卒業までは友達として付き合う。でもそれ以上の事は絶対にしない。例え彼女が失意の底に落ちても。いずれにしろそうしなければいけない時が来る。だから早いか遅いだけだ。」
「もう十分遅いよ」
「加奈子さんの事だが…」
「待って、彼女の事については私に言わせて。
私は達也の奥様になる正妻よ。彼女はあくまで内縁の妻。立石家と三頭家の繋がりなんて理解したくないけど仕方ないから理解する。
でもすべての事について私とあの人のどちらかを選ばなければならない時は必ず私を優先させて」
「早苗…」
早苗の言う事は当たり前の事だ。普通の女の子が君とは結婚するけど内縁の妻が居るから我慢しろなんて言ったら普通は嫌気がさして別れるだろう。
でも早苗は俺の傍から離れない。むしろ内縁の妻なんか居てもいいから自分を優先しろと言っているのだ。
普通なら本当に頭が下がる思いだ。しかし今回の件はそう簡単には行かない。俺は立石家の長男としての立場で動かなければいけない。その時どうしても早苗より加奈子さんを優先する事になる。これはどうしても理解してもらわないといけない。
「達也、私を優先すると言って。でないと私、私…」
早苗が俺の胸に顔を埋めている。俺の胸に液体の様な物が零れた。早苗にもっとゆっくりと二人で話し合わないといけないだろう。この子に今一方的に言っても消化しきれない。
「早苗、今日はクリスマスパーティ二人でするんだろう」
「達也狡い。話を逸らそうとしている」
「この話は、また今度にしよう。今は早苗と一緒に過ごしたい」
「本当!」
「ああ、本当だ」
「じゃあ、私の家に行こう。一緒にクリスマスパーティしよう。両親は、午後六時までデートしてくるってもう出かけた」
多分、俺達の為に空けてくれたんだろう。しかし、今日は何故か妹が声を掛けてこない。それはそれで気になるのだが。
着替えて一階のダイニングに行くと母さんが
「やっと二人共起きて来たのね。もう十時過ぎているわよ。朝ご飯どうするの?」
「早苗の所で食べる。ところで瞳は?」
「そう。瞳は友達とクリスマスパーティするからって朝から出かけたわ」
そういう事か。
早苗の家に行き、朝とお昼を兼ねたクリスマスパーティを二人で開いた。早苗の料理は本当に美味しい。俺の好みをとても分かってくれている。
加奈子さんの手料理は一度食べた位だ。あの人は正式に内縁の妻となっても料理などしないんだろうな。全てお手伝いと言うか専任の料理人がいるんだから。
そういう意味では妻と言えるのは早苗だ。立石家はお手伝いはいるが、家事全般は母さんが行っている。早苗が家に入って来ても母さんと一緒にするだろう。
「達也どうしたの。急に無口になって」
「いや、早苗の料理は本当に俺好みで上手いと思って食べていたんだ」
「ふふっ、そう言って貰えると嬉しいわ。全部食べてね」
「ああ、しかしちょっと多いかも」
「駄目全部食べて。達也の為に作ったんだから」
食べ終わった後、早苗が食器を洗い終わってから彼女の部屋に行った。
「た・つ・や♡」
……………。
嬉しい。達也の心は私だけのもの。加奈子さんには絶対に渡さない。
――――――
ふむーっ、最後はやはり早苗対加奈子さんですか。
ちょっと次の更新遅れるかもです。
次回をお楽しみに。
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面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
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