第8話 セレスくんに愛されて


ハァ~これで逃げ場は無くなったわね。


『本当に好きな子』が出来るまでの偽りの恋人それで良かった。


こんなおばさんがそれ以上なんて望んじゃいけない。


いつかきっとセレスくんが後悔する時が来る。


だからそう答えたのに、まさかネックレスまでくれるとは思わなかったわ。


大体、こんな扱い私はされた事がないのよ。


前の旦那のセクトールは浮気ばかりして私には殆ど何も買ってくれなかったわ。


村の女なんてこんな物、そう思っていたのよ。


確かに小さい頃から「好き」「結婚したい」なんて言っていたけど…本気だと思わないじゃない?


だってセレスくんがそう言っていたのって5歳位からなんだよ。


しかもこっちはもう20歳近いおばさんだったし。

※この世界の人族の寿命は50歳位10代後半で年増扱いです。


セレスくんは早くにお母さんを亡くしたから寂しいのかな、そう思っていんだよね。


大体ミサキさん(マリアの母親)にも似たような事言っていたしね。


だけど、今思えば心当たりはあるわ。


良く川魚を焼いた串焼きをくれたし、川で綺麗な石を見つけたと言ってくれたし、よく手伝いもしてくれていたわ。


『凄く良い子』『ませているな』そう思っていたけど…


そうかぁ…本気だったんだ。


今思えば、本当に子供だったけど、旦那より息子より優しかったわ。


受け入れるのは決定。


だけど、ずっと使って無かったから手入れしてないわね。


最後にしたのは、うふふふっ前過ぎて解らないわ。


下手したら10年位してないんじゃないかな?


伸びきった毛は切ったけど、流石に体型は崩れた気がするわ。


この体で10代半ばのピチピチの男の子を受け入れるのかぁ~


本当に良いのかな?


だけど…望んだのはセレスくんだ。


仕方ない、せめて10年前ならと思ってもその時はセレスくんは4~5歳無理だわ。


これ以上待たすのも悪いわ。


覚悟を決めるしかないわね。


「セレスくん、もう私お風呂終わったから、今度はセレスくんが入って」

もう後戻りは出来ないわ。



◆◆◆


バスタオルを巻いてそのまま毛布にくるまったわ。


後はセレスくんが出てきたら「おいで」そう言うだけで、総てが始まってしまう。


多分、セレスくんは初めてよね…良い思い出になると良いんだけどな。


「静子さんお待たせ」


もう…受け入れるしかないわ。


「セレスくん…来て」


ミルナさん(セレスの母親)ごめんなさい…


セレスくんは優しく私を抱きしめてきた。


「あの、セレスくん、私久しぶりだから…優しくしてね? やり方は解る?」


頷きながらセレスくんはキスをしてきた。


「うん、うんうぐっうんうん」


いきなり舌を入れてきた…なんだか手慣れている気がする。


「ハァハァセレスくん…随分手慣れているわね」


「ハァハァ手慣れてなんてないよ…大好きな静子さんにしたい事しているだけだよ」


「ハァハァそう…嘘、そこは、そこは汚いわ、そんな事しなくて良いから、恥ずかしい、本当に、あああー-っ」


そんな所触られた事ないわ…そんな汚い所にキスしたり舐めたりなんて普通はできないわ。


「ハァハァ…なんでそんなことが出来るのよ…そんな事ハァハァ普通は出来ないよ」


「大好きな静子さんに汚い所なんてないよ…」


恥ずかしいけど…凄く気持ち良い。


と言うより…セレスくんが凄く気持ち良い…これが本当の営みだというなら、今迄のは違う。


一生懸命、私を求めてくれる。


愛されているのが解る。


自分の体が火照りだし、女としてセレスくんが欲しくて、欲しくて溜まらなくなっていた。


気がつくと私はセレスくんを受け入れていた。


今迄の人生でこんなに私に夢中になってくれた人は居ないわ。


よくもまぁ、こんなおばさんを好きになったものね…そう考えるのはセレスくんに失礼よね。


セレスくんって凄いわね…10年も私を好きでいてくれたんだから。


此処迄してくれるなら、私だって答えるべきだわ。


「セレスくん、今度は私がしてあげる」


私はセレスくんを自分から受け入れ腰を振り続けた。


私は貞淑な妻だと思っていた。


セクトールに抱かれた時に良く『つまらない女』と言われたわ。


だけど違うじゃない…セレスくん相手なら此処迄、 淫らになれる。


きっと、セクトールがつまらない男だったから私も『つまらない女』だっただけだ。


気持ち良くて頭がぼうっとしてきた。


幸せ過ぎて怖い位…




「あれっ、セレスくん、私…」


セレスくんが私に腕枕をしてくれている。


「もしかして、私気を失っていたの?」


「そうみたい…気を失ってそのまま寝ちゃたのかな」


「それでセレスくんは、どうしていたの?」


「静子さんが可愛らしかったから、そのまま寝顔をつい見続けちゃった」


「まさか寝ないで、見ていたの? 恥ずかしいわ」


窓の明かりを見るともうお昼位になっていたわ。


朝どころかもうお昼か…凄いわね。


私が起きようとすると、セレスくんに手を掴まれた。


「もしかして、まだしたいの?」


セレスくんはニコリと笑い無言で私を引き寄せコクリと頷いた。


女として求められていると解ると嬉しくて仕方なくなる。


私はきっともう…セレスくん無しでは生きていけない。


セレスくんに本当の女の喜びを教えられちゃったから。


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