第4話

「あぁ」


 目が覚めた。

 夢を。

 覚えていた。


「今更」


 今更、だった。

 あのひとが。

 夢で助けてくれていた。

 知っているひとだった。

 夢の中でだけ、会って。

 そしてわたしの、夢を。

 あのひとを好きな理由があった安心と、その、彼が、もういないという放心。同時に来た。

 今日は、起き上がれない。

 かといって、眠る気にもなれなかった。

 携帯端末。

 昨日の、人身事故。検索しようとして、やめた。

 彼が。

 彼は。わたしの夢を守って、死んだのか。わたしのために。わたしに知られずに。わたしは。

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