第60話

 緩奈はスマホを見せてきた。

 そこには妻と浮気相手のあられもない姿の写真が映し出されていた。


 「どうやって、こんな写真を」


 写真の背景から、撮影した場所は自宅のリビングだと分かる。

 もう、リビングで心休める事が出来ないな。


 「美喜に頼んで一緒に家へ入れて貰いました」


 美喜に・・・か。

 つまり、美喜は浮気現場となっていた家の中まで入っていたのか。

 浮気相手の写真を外で待ち伏せて、撮ったしか美喜に説明されていなかった。今度、美喜を問い詰めなければならない。

 思い起こせば、行動も最近おかしかった。

 いつもはリビングで食べていた食事も全て自分の部屋で食べていたし、仕事から帰ってもリビングで美喜を見かけなかった。てっきり、浮気している妻と顔を合わたくないからだと思っていたが、それだけではなく、リビングでそういう行為が行われたと知っているから寄り付かなくなったのであろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る