第320話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その㉖
デパートに入った華と神崎は、エレベーターで一気に8階まで上がった。
8階はレストランが多く入っており、和洋中といろんな料理が食べられる。華はエレベーターから出ると、右側へと歩き始めた。
その後ろをついて行った神崎は、華が言っていた喫茶店を見て驚く。最近、ネットで話題になってきた大人気の喫茶店だからだ。
平日だというのに、十人も行列がついている。しかし、華は行列を通り過ぎると、入り口に立っていた店員へ話しかけたのだ。
「予約しているけど、入れるかしら?」
「はい、お嬢様」
店員はうやうやしく華へ返事をすると、通りかかったウエイトレスへ声をかけた。
「さあ、入りましょう」
トレイを持った、フリルが印象的な制服を着たウエイトレスが華の方へとやって来る。
「お席へご案内します」
そして華の前で立ち止まったウエイトレスは、明るい笑顔を華達へ向けたのだ。
「…すごい」
窓側の予約席へと案内された神崎は、窓から見える景色に圧倒された。
ここから、幸澤市のいろんな場所が一望できるのだ。遠くにある緑豊かな山も、目に入ってきた。
「神崎さんは、何頼む?お金は私が出すから、何でも言って」
「そ、そんなわけにはいかないよ!ちゃんと自分の分は払うから!」
いくら大金持ちのお嬢様だからって、払わせるわけにはいかない。神崎は慌てて、そう言い切った。
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