第308話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その⑭
六限目の授業中、華は真剣に考えていた。
今受けている現代史についてではなく、その前の休み時間に、根室から言われた事についてだ。ダイエットの本を選んだからって、結が人気者になれるわけではない、と。
それどころか『みんなは結を便利な存在として利用しているにすぎない』と言われてしまったのだ。しかも結はそれを否定するどころか、どこか受け入れているようだった。
(結は頭がいいうえに優しいし、どうして人気者にならないのかしら)
もし結へ直接聞いたら「華さんのように美人でないですし、一緒にいてもつまらないからだと思います」と悟ったように答えるだろう。そして結自身、人気者になりたいと全然思っていなかったのだ。
(やっぱり友達がいないからそう思われるのね。結はいまだに友人を作ろうとしてないし)
もう二か月以上経つが、結は相変わらず一人で居ることが多い。一緒にお昼を食べてるが、結は他の同級生達と打ち解けようとしないのだ。
(アニメや漫画が好き、と言えばすぐ友達ができるのに。今では芸能人でもアニメ好きを公認しているし、それでイジメる人なんかこのクラスにいない、と思うけど)
小学生の時、それでイジメにあったから、と結は今でも自分から「アニメや漫画が好き」と話さなかった。休み時間では、図書室で借りたラノベ以外の本を読んでいるのだ。
(日野沢君とは、全然進展ないし…。日野沢君は結がアニメ好きだからって、絶対に酷い事は言わないのに)
結が自分を襲った事件を解決した後、華は満へ「結と付き合ってほしい」と頼んだのだ。結の凄さを知った満なら、結と仲良くなってくれる、と。
だが、その時に満から逆に注意をされてしまった。それゆえ華は結と満の仲について何も言えなくなってしまったのだ。
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