第298話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その④
神崎が読みたい本を聞いた結は、すぐに案内した。結は図書委員をしているので、迷わずに運動に関する本が置かれていた本棚へとたどり着いたのだ。
それを見た神崎は、その前で立ったままだった。どれを選べばいいのか、困惑しているようだ。
「何かやってみたい運動はありますか?」
優しい口調で聞いてきた結へ、神崎は「ストレッチの本を…」と答える。結は本棚へと視線を向けると、一冊ずつ取り出して、神崎へと見せたのだ。
「まずは…、この三冊ですね」
結が差し出したストレッチの本は、初心者から上級者まで楽しめる内容だ。写真でポーズを載せているし、いろんなストレッチが分かりやすく載っていた。
結が勧めた本を見て、神崎は初心者向けの本に決めた。結が残りの本を丁寧に本棚へと戻すと、神崎へ「他にも、借りる本はありますか?」と聞いてみた。
「…えっと」
戸惑う神崎を、結は静かに待つ。むやみに詮索しない結に、神崎は意を決した顔で聞いてきた。
「健康に、関する本を…」
「それでしたら、近くにあります」
口角をそっと上げた結は、神崎をその本棚へと案内した。
健康の情報が載っている本は、この望ヶ丘高校の図書室にはたくさん置かれていた。
その本棚の前へ来た神崎は、今度は目線を動かしていた。ただ、結には見られたくない。そんな気持ちがにじみ出ていた。
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