第10話 生徒会勧誘
ゴールデンウイークが明け、有意義な休みを過ごすことが出来た。
ランさんからは、短い文章ではあるが毎日のように連絡が送られてくる。
最初は何を送ろうか悩んでいたのだが、ランさんから送ってくれたので杞憂に終わった。
駅伝の練習終わりや、モデルの仕事に移動する間など。空き時間を見つけては、オシャレなランチや友人と話した面白い話などを教えてくれる。
それもしつこくならない程度に。
一日一通か、多くても三通ぐらいのやりとりをしたら終わってしまうので寂しい。
「うふふふふ」
やっぱりこっちからもっとアプローチした方がいいのだろうか?
しかし、男がガッツいてると思われたらキモイと思われるかもしれない。
ランさんにまた会いたいな……
「うふふふふふふふふふふふふふふふふ」
「ねぇ、ヨル。いい加減気づいてあげたら?」
いつの間に登校してきたのか、セイヤから声をかけられる。
「うん?」
言われて顔を上げれば、そこには赤茶髪のユルフワロングの超絶巨乳美女が倉峰の席に座って、こちらを見ながらニコニコしていた。机に胸が乗ってます。
「うわっ!誰?」
「どうもどうもどうも。やっぱり男性はいいですね。見ていてあきません。ずっと見ていたいです~」
ゆっくりと間延びした口調で気が抜けそうになる。
ずっと目の前にいたことに気付かなかった。
見た目だけなら、ランさんにも負けない美女。胸は今まで出会った中で一番凄い。
ランさんとは雰囲気が全く違うので、初めて会う人種に唖然としてしまう。
「えっと……あなたは?」
「あら~?私をご存じないですか~私もまだまだですねぇ~」
「ヨル、何言ってるんだよ。入学式の時に在校生代表で挨拶していただろ。
セイヤが慌てた様子でフォローしてくれるが、あのときはセイヤに打ちひしがれていたので、倉峰以外の挨拶をちゃんと聞いていなかった。
「あ~いた!レイカ様。一緒に勧誘に行こうって約束したじゃないですか!なんで一人で言っちゃうんですか?」
騒がしいツインテールの小柄美少女が、扉を開いて飛び込んできた。
「あらあらあら、テルちゃん。ごめんなさい」
「ハァ~もういいですけど。それで?倉峰さんには会えたんですか?」
「倉峰?はてっ?誰ですか?」
「もう、だから一緒に行こうと言ったんです。倉峰さんに会えていないのにいったい誰と話して!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ツインテール美少女がこちらに視線を向けて目を見開いた。
あまりの驚きように互いに見つめ合ってしまう。
「テルちゃんばっかり、ズルいです~」
「はっ!わっ私は何を!どっどうして殿方が?」
「何を言ってるんですか~彼は今年の一年生男子の【黒瀬夜】君ですよ~生徒会に勧誘しに来たんです」
「はっ?」
先ほどまで全くそんな話が出ていなかったのに、いきなり生徒会の勧誘と言われて戸惑う。
「えっえええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!私、何も聞いてません。青葉高校の伝統として、一年生でトップ合格した子に生徒会に在籍してもらうんじゃないんですか?!」
「あっ!そうでした」
完全に忘れていたな、この先輩。
「レイカ様はいつもそうなんですから。申し訳ありません」
ツインテール美少女が生徒会長に代わって頭を下げる。
状況についていけない俺は唖然と見つめることしかできない。
「私は二年の
先ほどのまでの騒がしさが嘘のように、丁寧な言葉遣いで自己紹介をされた。
こういう状況に慣れている様子で、苦労しているんだろうな。
「これはご丁寧に」
「うふふふふ。いいですねぇ~生徒会室に男の子~」
「はいはい。レイカ様。本来の目的の倉峰さんが来ましたよ」
ツインテール美少女こと最上照美さんが、倉峰の下へ向かって生徒会勧誘の声をかける。
その間も生徒会長であるレイカは、机に胸を乗せたまま俺の顔を見つめていた。
「黒瀬君。冗談ではなく~本日の昼休みは生徒会室にきてくださいませんか?」
先ほどまでの間延びした言葉使いが多少真剣みを帯びた声。
俺の頭の中では二つの思考が働いていた。
生徒会?あれっ?これってイケメン主人公であるセイヤが勧誘される奴では?俺の方が先に教室に来て座っていたからと言って俺が勧誘を受けていいのか?
「うん?どうしたの?生徒会?う~ん、行ってもいいんじゃない?僕も興味あるし」
俺が視線を向けるとセイヤが楽しそうに会話に加わってきた。
レイカ先輩はセイヤの参戦に対して、しばし考えを巡らせてから。
「男の子を二人もゲットです~」
と喜んでいた。
そのたびにもう一つの思考が刺激される。
動くたびに机の上で巨大な胸が弾んでる!!!
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