ギルドはデコ助。
「どう?」
リビングに戻るとネマが居て、聞いてみる。すると僕を見るなりネマは「…………いい」と言った。
まぁ、そりゃシリアスの本気コーデだからね。
僕以外の誰かが着てもカッコイイだろうけど、この服は僕の骨格とか仕草とか表情の癖とか髪型髪色肌の色、とにかくスキャニングで可能な限りのデータを取って、古代文明レベルの演算能力を無駄遣いしたコーデなのだ。『似合う』の次元が違うと言える。
例え本当は僕に合ってないコーデだとしても、シリアスなら合わせられる。
なので僕が着る場合において、このファッションは通常の何倍も僕に似合う様になってるのだ。
服のデザインがどうとかじゃなく、もっと概念的な所から僕に親和する様に選ばれてる。
「ネマもその内、シリアスの本気コーデやって貰うと良いよ。普通の服でも数十倍似合ってヤバいレベルの物を選んでくれるから」
『任せると良い。シリアスは良い仕事をする』
「…………おかね、できたら、おねがぃ」
それからシャムを降りて、既にバリバリ働き始めてるおじさんに挨拶してから、シャムに乗り直してアルバリオ邸に出発。操縦は免許取り立てのネマだ。
サンジェルマン凄かったな。アレだけ増やしたハンガーが半分以上埋まってたぞ。おじさんどれだけ稼ぐんだ…………。
「ネマ、安全操縦でお願いね」
「……まか、された」
ネマと共にシャムのコックピットへ。僕は複座に座る。スイートフラワーシリーズのカスタムコックピットにも、ちゃんとサブシートを用意してある。輸送機なのでサブシートが四つある。
眠そうな無表情系美少女が、小さな鼻からふんふんと鼻歌を奏でるちょっとした時間。
アルバリオ邸まであっという間だけど、ライセンスを取得して正式に雇用出来るように成ったネマに、多少のお話しは必要だろう。
「ネマ、雇用条件はアレで良い?」
「よい」
「それと、仕事して無い時も専属のダングパイロットとして使うから、一応は月給みたいのも出そうか。どれくらい欲しい?」
「…………? まだ、おかね、わからにゃぃ。まか、せる」
「そっか。まぁ現時点ではまだシャムのオーナーは僕だし、資本はコッチだから多少は安くなるよ?」
「………………よい。そのぶん、いっしょ」
「いや、別に返済が終わっても、ネマが望むならそのまま雇うよ? と言うか、ソロ傭兵二人だとギルドが報酬を精算する時に面倒だし、次の狩りに行く前には傭兵団でも立ち上げるつもりなんだけど」
「……えへ。いっしょ、なら、よい」
どうでも良いけど、ネマの「よい」がなんか可愛いな。「いい」じゃない所が、なんかこう、なんとなくグッドだ。
傭兵団を立ち上げれば、仕事を傭兵団単位で受けて、報酬も傭兵団に一括で支払われる。だからネマの返済に着いて再計算とかが楽になるのだ。
勿論、僕が仕事をして無い時なら、ネマも傭兵団としてでは無く、ソロで仕事をして稼いでも良い。その場合でも返済はして欲しいけど、そっちは別に無理強いする気は無い。
返済が終わるまではシャムのオーナーは僕だし、それまではコッチの仕事を優先してもらう。
つまり僕が仕事をすればネマは自動的に稼ぎ、そして自動的に返済が進む。だから個人の仕事にまで目くじらを立てる必要が無いのだ。
まぁ、コッチの仕事を無視して個人依頼を優先し始めたら怒るけど。
『質問。傭兵団の名称』
「ああ、一応は二人からも募集するけど、意見が無いなら取り敢えずってのは決めてるよ。ダングもデザリアもガーランドで産出する機体だし、ガーランドで始まった虫型に乗る傭兵団って事で、『
シリアスはデザートシザーリアで、シャムはシールドダングだ。
どちらも古代文明ハイマッド帝国が開発した虫型機体であり、どちらも砂漠で手に入り、砂漠で複数の虫を持って始まる傭兵団。つまり砂蟲だ。
『肯定。シリアスはラディアのセンスを支持する』
「…………ねまも、よき。ねまは、よーへーだん、すなむしの、ぱいろっと。…………えへへ」
「ん。じゃぁ明日にでも傭兵団を立ち上げようか。…………団の立ち上げはギルド行かないとダメなんだよねぇ」
『傭兵団の立ち上げは、つまり武装集団の結成。面談は必須と思われる』
そのせいでまた、あのエレベーター地獄を味わうのか。辛い。
特別待遇のお陰で面談は心配して無いけど、あのエレベーターがただひたすらに嫌だ。なんで階段を付けなかった馬鹿野郎。
「〝階段〟を付けろよデコスケ野郎ッッ!」
「ぴっ……!? な、なんで、いま、ねま、おこられ、た?」
「あーごめん、今のはネマに対してじゃないよ」
傭兵ギルドって言う本物のデコスケ野郎に対してだよ。
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