時限式やめーや。
「ポロンちゃんとは、どんな知り合いなので?」
VRバトルを起動して、ポロンちゃんとホロ通信が繋がる前に聞いておく。
地雷を踏む気なんか無いけど、しかし処理方法も知らないのは怖い。なので今の内に軽く情報を仕入れとく。
「別に、普通のスクールメイトよ?」
「そうなんですか? 今日はお休みで?」
ポロンちゃん学校行ってる様子無いですけど、とか言ったらそのまま地雷を踏み抜く可能性もある。
だから遠回りで、遠くから目的の地雷を観測出来る距離感の言葉を選んで行く。
「休みって言うか、長期休暇なの。ガーランドに居ると曖昧になるけどね、今って夏なのよ? スクールの制度だと夏季休暇なの」
「………………あー、なるほど。
「スクールの校則なの。たとえ登校しない用事でも、出掛ける時は制服って」
なるほど。つまり地雷なんか最初からなかったんや。僕は安心した。
あー良かった。見え見えのイジメとか不登校とかの地雷で吹き飛ばされるかと思ったよ。なーんだ。
「そうなんですね。僕はてっきり、ポロンちゃんが何か、イジメや不登校などで孤立でもしてるのかと思いました」
「あ、イジメなら有るわよ。アルバリオってかなり急成長をした突然の成り上がりじゃない? だから元は貧乏人がって言って気に食わない奴も多いの。ポロンの友達って、スクールでも私達くらいよ?」
ちくしょう。不発弾かと思ったら時限式で起爆するのやめーや。ずるいやろ。
いや不用意に踏み込んだ僕が悪いけどさ。二段構えは卑怯だと思うんだよね。そこンとこどう思います?
一回安心させてからの確殺キルゾーンでスイッチオンは止めて下さい死んでしまいます。
「聞かなかった事にしても?」
「彼氏さんなのにそれで良いの?」
「彼氏じゃないので良いと思います」
そこでポロンちゃんとホロ通信が繋がったので、僕は完全に笑顔を作る。孤児は人の顔色を見て察し、自分の顔色を操って察され無い事を信条とする。
あはは、僕はイジメのお話なんて聞いてないよ? ニコッ☆
「じゃぁ、レッスンを始めるね。まずは何時も通りに、インスタンスエリアに作った戦闘機動用コースを
『はいです! 筆記も頑張ってるので、そろそろ免許も取れるです!』
「選んだ機体が戦闘機だから、取り敢えず輸送機免許を取って乗るってのも出来ないしね。頑張って戦闘機免許取ろうね」
最初から戦闘機に分類されてる機体は、武装がゼロでもパワーから違う。格闘戦だけでもある程度戦えてしまうので、武装をオミットしても輸送機免許では乗れないのだ。
偵察機とかなら射撃武器を剥ぎ取れば輸送機免許でも乗れるんだけどね。
スピードモスとか、初期装備で小型パルス砲を一門装備してるらしいけど、それさえ無ければ輸送機免許で問題無い。
と言うか、正規販売する為の調整で最初から武装をオミットしてるメーカーが殆どらしい。
「どうです?」
「本当に、あのポロンがバイオマシンを動かしてるのねぇ…………。て言うか、敬語も別に要らないわよ? 同い歳くらいでしょ?」
「そうですか? でも僕、…………元はスラム孤児ですよ?」
「あら? ならきっと、スラムでも清く正しく生きて来たのね? 帝国の法は、犯罪者が成り上がれる程甘くないもの」
不法滞在に着いてだけはなぁなぁだけど、と笑うモモさんに、僕の心臓はギュンってした。
こんな、たった一言で僕の人生を読み取って、笑って肯定出来るこの子が、堪らなく可愛く見えた。
あ、危ねぇ! シリアスへの愛が少しでも緩かったら持って行かれてたよ!
「モモさんは、良い人ですね」
「ほら、また敬語。癖なの?」
「癖になってんだ、敬語で話すの…………」
照れ隠しで、フィクションブックの台詞を吐く。
それは『念』と呼ばれる異能を使って『ハンター』と言う仕事をする物語のフィクションブック。かなり歴史の有る作品で、ネタも豊富だ。
台詞のキャラクターは、なんか電気の能力を持った暗殺者少年だった。元の台詞は確か、『癖になってんだ。音消して歩くの』だったかな?
「あら。外したわね」
「ふむ。まだ照準が甘いなぁ。アクショングリップの複雑性に振り回されてる」
コースを往くポロンちゃんが、設置した的に向かって撃つ砲撃を外す。ダメだなぁ。まだ実技通らないなぁ。
だから及第点以上の命中率が無いと免許が取れない。僕が特別待遇で免許取れたのも、最悪はオリジンであるシリアスが照準出来るから大丈夫だろって事なのだ。
まぁ僕自身もエイミングは苦手じゃないので、普通に免許試験を受けても通る自信はある。
成長自体は見れるので、このまま行けば免許はちゃんと取れるだろう。あとは戦闘力に直結するエイムは本当に頑張って欲しいところだ。
「ま、今後の課題かな」
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