第178話 現実


稲妻が山肌を突き刺す

降りやまぬ大粒の雨

背後からは強い日差し

そして目の前には儚い虹


こんなときに感じるのは

絶望にも似た気持ち

これが現実であるのなら

言葉なんて何の役にも立たない


薄れ行く七色を見ながら

じっとり濡れる前髪

乾きかけた背中を

せめて伸ばしながら歩く


伝える言葉も持たない

この不器用な指先

まるで終末のような景色に

もう一度強く握りしめて


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