第167話 優劣


たぶんだけど

私は命を区別している 


想像してみる

顔見知り程度のおじさんの死が

飼っている金魚が死んだときよりも

何日も心に暗い影を落とすことを


でもこれが犬だったら?

育てている花だったら?

テレビの中のアイドルだったら?

職場の同僚だったら?


私はどんなことを思うんだろう

それぞれどんな反応をするんだろう


こうやって命に優劣をつけようとする

自分が嫌いだ

とてつもなく嫌いだ

それでもこうしてしか生きられない

それが私だ。

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