第160話 純粋な繭


視線の先を遮るもの


たとえば純粋な白い繭が

柔らかく締め付けるような


ゆるい拘束から脱け出すこともできず

されるがままここに在るように


ぼんやり灯るろうそくが揺れる

とけだす蝋は静かに足下を固め


何も見えない、もう何も見えない

ただ眠りの淵に立ち尽くす


立ち尽くす

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