第150話 ヘドロ


こんな鬱々とした気分

自分がヘドロにでもなったようだ

踏みつけられ這いつくばり

汚れた体で沈んでいく


押し付けられた善意と

かけ離れた価値観と

うまくごまかす術もないまま

心だけが解離していく

もう何も聞きたくないよ

あたしはあたしを信じたいから


これでもけっこう状況は

客観視しているほうなんで

今が案外幸せなの

可哀想がらないで


無敵でもなんでもないのは

身にしみて分かってるから

だからせめてこの平安を

黙って見守ってほしいなんて

それは贅沢?裏切り?

もう何がなんだか分からない


ただ一言だけワガママ

言っていいとするなら 

「もうほっといてくれ」

ボロボロになったあたしを

汚れた顔で笑うあたしを

「もう、ほっといとくれ」

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