第143話 深夜の音


聞こえてくるのは時計の音と

冷蔵庫が低く唸る音

そんな夜のど真ん中で

眠りから取り残された

冷えた指が心許なくて

布団のなかに深く潜る


感じるのはふわふわした浮遊感と 

圧倒的な孤独感


静けさがうるさくて

両手で耳を塞いでみる

ほんの少しだけ自分の輪郭が

夜から切り離された気がした

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