第141話 暗がり


この身体を取り囲む

目を閉じるよりも暗い

そんな暗がりのなかで

歩き転び起き上がり、また歩き。


目を凝らしても見えない

道の先に憧れながら

張り付く闇の気怠さ

座り込みたくなる弱さを叱咤して


星さえも飲み込んだ

広がり続ける闇に逆らう

別に光がほしいわけじゃないけど

暗がりを愛するわけでもなく


たどりつけるなら、と

ただ向こうにたどりつけるのなら、

こんな重苦しい暗がりだって

それはただの過程にすぎないんだ


なんて


旅人は強がりを口ずさむ

聞きなれたメロディのように

やわらかくするすると

暗がりを抱きしめるみたいに


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