第63話 真夜中


白いシーツ

使い古したブランケット

握りしめたそれは

頼りなく絡み付く


目に見えるものなんて

何もない、何もない


ここには何もない


時計が刻む音

静かな夜に響く

早く過ぎ去ってくれと

祈るように時を数えた


繋ぎ止めるものなんて

何もない、何もない


ここには何もない


教えてくれよ

夜の意味を

何もないここに

存在する意味を


何もないよ

意味なんてないよ


それでも、それでも


探している

探し続ける僕を

嘲笑うかのように

絶望色した空が笑ってる



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