第42話 夕焼けの一歩前
時がはじける音がした
模型みたいなビルの群れ
現実感を伴わないまま
靴音鳴らして駆け抜ける
見上げるとそこには
夕焼けまであと一歩くらいの空
絆されるのが悔しくて
キッと強く睨み付けた
何をしてもしなくても
時間は平等に過ぎて行く
それに取り残されたとしても
一切の容赦もないままに
せめてこのアスファルトの上
踏ん張って背筋伸ばして
胸張って立っていよう
ほら、月が顔を出し始めた
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