第30話 カレンダー


もうこんなに過ぎたのかと

カレンダーを見て思う

別にいつも何日とか何曜日とか

意識しているわけじゃないけれど

時々、流れていく時の速さに

溺れそうな自分がいて

必死で呼吸を取り戻し

そっとため息をついたりするのだ


こんなに下手なバタ足で

泳ぎ切ることはできるんだろうか

あれやこれやと思い巡らせ

不安は尽きることはない

それでも放り出された流れの中を

醜くも進むしかないのだろう

見よう見まねで水を掻き

なんとか取り残されまいと泳ぐ


もうこんなに過ぎたのかと

広がる川面を見て思う

少しずつ少しずつ自分のペースで

積み重ねてきた道のりだから

バタ足しながら深呼吸

とりあえず溺れなければいいや

そんなこと考えたりして

流れを味方につけながら行こう



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