第24話 痛みの行方


チリチリと胸を焼く痛みにも似た何かが

遅効性の毒みたいに身体中を駆け巡り

もうここから少しも動けやしないなんて

あまりにも鈍すぎるそんな自分が嫌になる


しっとり濡れた灰色のアスファルト

蹲る僕は伸びる自分の影を見つめて

じわじわと侵食してくる痛みのようなものを

どうにか受け止めようとしている


助けてほしいわけじゃなくて

乗り越えようとするわけじゃなくて

ただ共に生きていきたいよ

決して消えることのない痛みだから


ほろりこぼれた一雫はきっと生きている証で

僕がここに存在しているということ

だから僕は飲み込もうとしてるんだ

苦しみも哀しみもすべてこの体で

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る