第25話 川べりのうた
流れる川の水を
ぼーっと見ていた
特に何の意志もなく
強いて言うなら
こうやって流れてしまいたい
そんなこと考えながら
どこかの木の葉や
石ころなんかを巻き込んで
止まることなくゆく川の
進む先を目で追いかけた
ところどころ転がる岩場
その上にたつ大きな白い鳥は
すました顔で辺りを見回す
そしてゆっくりと羽を広げ
重く曇った空へ飛び立った
羽ばたきが巻き起こす風は
一方向の流れを遮るように
新たな波紋を生み出して
音もなく広がる波紋はやがて
静けさと共に消えていった
光が反射するわけでもなく
せせらぎが聞こえるわけでもなく
なのにどうして
こんなにも見つめてしまう
そんなことを考えていたら
なんの変哲もない川なのに
とてつもなく偉大に見えて
ほんの少し笑った
岸に生えている緑の草が
風にそよいで揺れていた
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