クボタさんの魔物図鑑 その102

No.124 イザナイソウ

魔草類チョスイソウ科


高さ 30cm〜10m


能力値(野生下での平均値)

『力』0

『魔力』170〜200

『機動力』0


討伐依頼受諾可能最低ランク

なし


・主な自生地はドロップ地方。

・俺の買った本『我が愛しの虫達』にてこの魔物が紹介されていた。著者は魔虫類の魔物を喰らうコイツに対してかなり怒っていたらしく、説明よりも恨み言の方が多く書いてあった。そんな事言っても仕方ないだろうに……


これは魔草類の魔物であるイザナイソウ。

蔓を伸ばして他の植物に纏わり付き、捕虫袋を使って小型魔虫類等を誘き寄せるウツボカズラのような魔物だ。


最初に言っておくがコイツの『高さ』の数値。

これは蔓の部分も含めた数値なので捕虫袋がそんなに大きいワケではない。


だから人間が落ちる事は絶対にないはずだ。

その辺りの心配は無用である。


というワケで我々にとってコイツは無害な存在であり、本体(?)は動く事もないので特筆すべき事もそんなにありはしないが、コイツはなかなか面白い特徴を持っているので、それくらいはご紹介させてもらおう。


この魔物はウツボカズラと同じく匂いによって獲物を捕虫袋へと誘い込むのだが、その際に『サクラ』をも使用するのだ。


イザナイソウの表面にはできもののような小さい突起が点在しており、それをよくよく観察してみると……なんと、その全てが昆虫のような形をしている。


そう、これを見た他の魔物達は油断してコイツに接近してしまい、捕虫袋から発せられている匂いによってそこへと誘導され、そのまま知らずのうちに養分と成り果てるのだ。


……油断しているのかどうか、本当の所は分からないけどな。


最後に余談ではあるが、コイツやウツボカズラの持つ捕虫袋。アレは葉の部分が変化して出来たものらしいぞ。


俺はてっきり花とか実とか、とにかくそんな部分だと思っていたからちょっと驚いた。生物の進化も凄いけど、植物も結構面白い進化をしているんだよな。

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