提案
―星晶高校―放課後の体育館裏―
「ありがとう助かったわ~」
「お役に立てて良かったです。」
お手伝いから数時間がたった。
沢山のテニスラケットやテニスボールは全て無くなっており、こんなにスペースがあったのかと思う程だった。
「それじゃあ、気をつけて帰ってね。弥登君、水月さん。お疲れ様。」
「南先生、お疲れ様でした。…………それでは、弥登君も、お疲れ様でした。」
「お疲れ様……と言いたいんだけど少し残ってもらえるかな?時間は取らせないので。」
「?えっと………何でしょうか?」
場所が場所なため警戒されているが、ひとまず話は聞いてくれそうだ。早めに終わらせるために簡潔言う事にしよう。
「2日前、道端で助けていただきありがとうございました。」
「……………え?な、何で?」
そう。2日前、道端で倒れてしまったのを助けて頂いたのはこの少女、春川詩音だった。本当だったら説明したほうがいいのだろうが下校時間も迫っている為、話を進める。
「そして、僕は貴方のことを調べさしてもらいました。今の状況も知っています。困ってることも。」
「……………!」
彼女が一気に警戒してくる。まぁ仕方がない事なんだけど。話を続ける。
「このままだと貴方は襲われます。多分ですが明日か明後日にだと思います。」
「……………………………」
警戒は未だにされているが、手が震えている。襲われると言われて、不安でいっぱいいっぱいなのだろう。
「そこで提案です。僕が貴方の助けになるというのでどうでしょうか?………話を聞いてくれるのならついてきてほしい。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます