第3話 僕の友達

「おーい消太、元気かー?」


そう言ってやってきたのは隣のクラスの藤堂隼、中学校からの付き合いで僕の親友。ちなみにサッカー部に所属していてかなりのイケメンだけど、彼女はいないらしい。    

...いや絶対嘘だろ。あ、僕は帰宅部だよ。


「もちろん、元気だよ」

「友達できたか?」

「ま、まだまだこれからだよ」

「もう2年になって1ヶ月は経ったぞ…」

「うっ、確かに…」

「友達くらいすぐに作れるって!頑張れよ!」

「善処するよ…」


―キーンコーンカーンコーン―


「やべ、もう戻るわ!またな!」

「うん、またお昼ね」


ふう、痛いところを突かれた。友達なんて特別仲のいい人数人で十分だと僕は思う、たくさんいるのもいいかもしれないけれど、それはかえって大変...って、言い訳じゃないからね!


「かーげーやーま!」

「うわぁ!」


突然後ろから抱き着かれた。

なんだかいい匂いがして、柔らか...なんでもない。


「ど、どうしたんですか?御城さん」

「今誰と話してたの?」


なんかちょっと目が怖いのは気のせいかな。


「隼です、藤堂隼」

「あ〜、あのいつも一緒にお昼食べてる人?」

「そうです、というか去年クラス一緒でしたよ」

「あれ?そうだったっけな〜?」


いつもの御城さんだ、気のせいだったみたい。

にしても名前も覚えてもらってないのか...隼、強く生きて。


そうして3限目が始まった、教科は数学。僕は数学が苦手で、テストの点数はいつもギリギリ平均点といったところ。自分で言うのもなんだけど、僕は成績が良い。しかし数学!数学だけは!勉強しても理解できないんだ!絶対に教師のせいだ!


なんてことを考えながら、僕は深い眠りに落ちていくのだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る