#2【リセットラムネ 繰り返す地獄Ⅱ】

「…そう、なんだ。」

「貴女の願いは…ある?」

そう言ってユトカさんは、不思議で怪しい笑みを浮かべた。

…何だか、胡散臭いなぁ…。

それに、何処から話そう…

「よかったら、奥に来ませんか?お茶も用意しますよ。」

ユトカさんはそう言って、奥の方に行った。

―――――――――――――――――――――――――――

「どうぞ、お好みで砂糖とミルク、クッキーも用意しておいたわ。」

そう言って、机にカップを一つずつ置いていく。

私はカップを手に取り、少し飲んでみた。

「わ…美味しい…」

砂糖を入れていないのにさっぱりした甘さがある。

どんな茶葉を使っているんだろう…

「さ…話を聞きましょうか?」

「あ…はい。何日か前に、テストがあって…」

私は、ユトカさんに今日あった事を話した。

そして、私の願いは…

「もう一回、テストの日をやり直したい。」

「…そう、分かったわ。こちらにいらっしゃい。」

私の話を聞いてる間飲んでいた紅茶のカップを置き、

ユトカさんは立ち上がって商品の並んでいる棚に向かう。

「あ、はい…っ」

私は、ユトカさんを見失わないように後を追った。


「これが、貴女の願いを叶える物よ。」

そう言って取り出したのは、手のひらに乗るほど小さい缶。

ユトカさんが中を開けて見せてくれると、中には15粒ほどの

ラムネが入っていた。

「ラムネ…?」

「そう、リセットラムネ。この缶の裏に、戻りたい日、時間を書いて、

このラムネを一粒食べるとその日に戻る事が出来るわ。」

「凄い…これください!!」

私は、背負っていたリュックから財布を取り出そうとしたが、

その手を止められ、こういわれた。

「お金は必要ないわ。このリセットラムネが必要なくなった時などに、

コインと一緒にお代もいただくわ…。」

「あ…はい、分かりました。」

「一日一粒だけ、それが約束よ…。守らなければ大変な事になるわ…」

「はい…!」

私はラムネを受け取り、家に帰してもらった。

いや、気付けば空間が私の部屋に戻っていた、が正しいかな…?

「さて…一回試してみようかな…」

私は黒いペンを取り出し、缶の裏の空欄に〝5月27日 6時20分〟

と書いた。

5月27日はテストの日、6時20分はいつも私が学校に行く時間。

私は缶からラムネを一つ取り出し、口の中に入れた。

味はさわやかなソーダ味…かな。

…私は急な眠気を感じ、布団の中に潜り込んだ。

―――――――――――――――――――――――

「ふあぁ…っ」

私は起きた途端に、スマホの日にちを見た。

〝5月27日 6:20〟

「すごい、戻ってる…!」



――――――――――続く―――――――――――

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――現代魔女はお店を開いているらしい――。 愛色しゅがー @aiirosyuga-

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